これからの時代は「オウンドメディアの機能」を考え直す必要がある【長期的な視点】

こんにちは、アイオイクス社のいしと(@idist_410)といいます。アイオイクス社のオウンドメディア「SEO Japan」の運営担当をしています。

仕事柄、「オウンドメディアの運営や立ち上げ」といった話題を耳にする機会が多いのですが、「今後はオウンドメディアの立ち位置が変わってくるのではないか」と思い、記事を書くことにしました。

  • 現在オウンドメディアを運営している
  • これからオウンドメディアを立ち上げようと思っている

こんな方の参考になればと思います。よろしくお願いします。

目次

「nanapi」「みんなのごはん」、オウンドメディアの閉鎖が相次ぐ

2019年6月現在、有名なメディアが次々と更新停止・閉鎖となっています。

https://twitter.com/LyonAlly_/status/1141544373252808704

オウンドメディアというと、なんだかポジティブなイメージがありますが、大手メディアが次々と閉鎖していくのを見ると、現実を感じます。

メディアが閉鎖していく理由としては、

  • 採算が合わなくなった
  • 運用していく意味が見いだせなくなった
  • 内部体制が変わり、運用できる人がいなくなった

などが考えられます。

「好きじゃなきゃ続かない」オウンドメディア運営のお金事情【LISKUL × Workship MAGAZINE 編集長座談会】(Workship MAGAZINE)でも書かれていますが、メディアは「好きじゃなきゃ続かない」といわれるくらい、リソースがかかるものです。

オウンドメディアはそれ単体で十分な収益を上げるのがなかなか厳しいので、今後はより一層メディアの閉鎖が増えるのではないかなと思います。

前置きが長くなりましたが、この記事では「オウンドメディアの機能とこれから」について、ざっくりとまとめてみることにします。

オウンドメディアが減っていく中では、運営する「意味」がより重要になっていく

オウンドメディアは、それ単体で収益を上げて維持するのが難しいメディアです。

メディアで収益を上げるには、以下のような方法があります。

  • 企業の純広告
  • DSP(Google Adsenseなど)
  • 記事広告

基本的には「広告」によって収益を上げることになりますが、メディア運営には月間数十万〜数百万単位でお金がかかるため、「広告収益だけでは採算を取りにくい」という現実があります。

もちろん、大手メディアであれば十分な収益を上げることもしれませんが、nanapiやフミナーズが更新停止したことから見ても、広告収益による採算を取り続けるのが厳しいことは事実でしょう。大手メディアで難しいのであれば、それよりも規模の小さいメディアであればなおさらです。

では、これからの時代にメディアを運営する意味はどこにあるのか。改めて考えなおしてみましょう。

オウンドメディアを運営する意味は、長期的なブランディングにある

繰り返しになりますが、メディア運営には費用がかかります。社内の人件費、外部ライターへの外注費、サーバー代、ドメイン代など。

「毎月出ていく費用を回収したい」と思うのは自然な心理ですが、メディア自体で収益を回収する仕組みを構築することは難しいです。であれば、メディアを運営する意味は、「収益」の他に設定する必要があります。

そこで、必要になってくるのは、「長期的な目的」「掛け合わせ」です。

ブランディングという長期的な目的

もともとオウンドメディアは「ブランディング」という機能への期待を込めて運営されることが多いです。

しかし、PVやUU(ユニークユーザー)といった指標を追い求めるうちに視野が狭くなり、長期的な視点が薄れるケースが多いのではないでしょうか。

ブランドは、PVやUUという数値で測りにくい概念です。企業の売上に関わってくるものの、「ブランドとしての認知」は肌で感じるのには難しいものがあります。

認知は目に見えないものです。

「目に見えないものを意識し続けること」は実感が湧きにくいため、辛いことの方が多いですが、次々とメディアが閉鎖する今、改めて向かい直す必要があると考えます。

メディアと他の施策を掛け合わせて、マーケティング施策を行う

では、目に見えない「ブランドとしての認知」をどのように役立てていけばいいのでしょうか。

認知をうまく活用するためには、成約までの動線を意識して、なるべくキレイにつなげることが重要です。

ここで、マーケティングのフレームワーク(枠組み)である「AISAS」を使って考えてみたいと思います。

AISASから考えるオウンドメディアの立ち位置

AISASとは、以下の頭文字を取った言葉です。

  • A(Attention):認知
  • I(Interest):興味・関心
  • S(Search):検索・比較検討
  • A(Action):行動・成約
  • S(Share):共有

上のとおり、認知はマーケティングの流れで言うところの「最初」に位置しています。

成約はActionで4番目ですから、認知と成約の間にはそれなりに距離があることがわかります。

つまり、広告枠を確保するなどして、「メディア単体で収益を上げること」は、距離のある「認知から成約まで」をメディアひとつでカバーしようとする試みであり、難易度が高い施策といえます。

オウンドメディアを運営するのであれば、その機能は「認知」や「興味・関心」といった流れの「最初」に絞り、その後の成約までの流れは、別の手段でカバーする方が効率的です。

最初から収益を求めてしまうと視野が狭くなり、取れる手段(施策)が減ってしまいます。

「オウンドメディアを過大評価することなく、機能を限定させてコンパクトに運用すること」が、これからの時代でうまく活用していくコツであると考えます。

まとめ

  • オウンドメディアを今後も活用していくためには、運営する意味をよく考える必要がある
  • オウンドメディア単体で、認知から収益を上げるところまでカバーするのは求めすぎ
  • メディアの機能を「認知や興味関心を呼ぶこと」に限定させて、他の施策をかけ合わせて活用することが重要

ひとことで言うと、「メディアの意味や機能をよく考えること」が重要です。

SEOもそうですが、マーケティング施策やマーケティングツールは万能薬のように扱われることが多いので、一度冷静になる必要があるなと思います。

アイオイクスのオウンドメディア「SEO Japan」は、そんなにマーケティングを意識していないのですが、近いうちにSEO Japanの概要や運営方針をまとめた記事を書く予定です。

また、今後もこのようなコラムを更新していこうと思いますので、よかったらフォローしていただけると嬉しいです。

いしとのTwitter:@idist_410

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この記事を書いた人

2002年設立のSEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社です。お問い合わせは、サービスサイト「SEO Japan」よりお願いします。

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