【SEO初心者向け】企業の集客におけるSEOとは?検索の仕組みとSEOの考え方まとめ

ご無沙汰しております、遠藤(@KouzaburouE)です。

4月に入り、新たに配属された部署でWebサイトを活用した集客をミッションとされる方がいらっしゃると思います。今回はそんな方に向けて、企業がSEOを実施するための基礎知識をまとめました。

色々とインプットに忙しい毎日をお送りかと思いますが、少しでも役に立てば幸いです。

目次

企業活動におけるSEOとは?

SEOとは、検索エンジンを通じて集客するための取り組みの一部です。検索を通じてWebサイトへの流入数を増やし、自社の集客や売上を伸ばすための施策や取り組みのことをいいます。

企業におけるSEOの目的は、Webサイトへの流入数を増やし、購買や申し込み・問い合わせ・採用応募等を増やすことです。

つまり、ググる人を企業の申し込み/問い合わせにつなげることです。

そのためには、まずは検索順位を上げ、流入数を増やし、コンバージョン率を高める必要があります。成果を生むためには、Webサイトを見るユーザーや検索エンジンにとってより良いものに仕上げていくことが必要です。

具体的には、GoogleやYahoo!での検索結果の順位を上げたり、露出を増やしたりすることで、Webサイトへの流入数増加を実現します。検索市場はユーザーが多く存在し、直接の広告費をかけず集客できることから、Webマーケティングの中でも定番の施策となっています。

企業の集客活動全体における位置づけ

以下はトライバルメディアハウスの池田紀行さんがまとめたマーケティングコミュニケーションの施策全体図です。

https://note.com/ikedanoriyuki/n/n06bbffdeb155

引用元:多くのマーケターが誤解しがちな主要施策の「できること」と「できないこと」のまとめ

狭義的に語られるSEOは中断の「Webサイト(オウンドメディア)」の流入施策を指しがちですが、広義でとらえると各施策によってユーザーが気になって検索した際の検索結果をデザインすることです。

例えばTVCMを放映したあとの検索、SNS広告を見たユーザーの検索、キャンペーンの詳細が気になって検索、など、集客における検索シーンは複数存在します。これらのユーザーに対して適切な情報の量と内容を配置していき、検索を通じて丁寧に(まるでコンシェルジュのように)接客していくイメージをもっていただけると、SEOはうまくいきます。

toC、toBによっても購買・申し込みに至る意思決定に大きな違いがあるため、顧客やサービスの特性を捉えて、検索を通じた接客を行っていきましょう。

検索エンジンは何者か?

SEOは検索エンジン(プラットフォーム)を通じた接客であるとしましたが、次にその検索エンジンとは具体的に何なのかを解説します。

日本において、検索エンジンのシェアは約9割がGoogle

日本国内における検索エンジンのシェアは、Yahoo.co.jpはGoogleの仕組みを利用していることから、Googleが9割と言ってよい状況です。検索エンジン≒Googleといえます。

Source: StatCounter Global Stats – Search Engine Market Share

そのため、SEOはほぼGoogle向けの施策と言え、Googleがどのような思想で検索エンジンを作っているのかを理解することがSEOを行う上では重要です。

Googleは「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」という思想を事実として掲げており、常にユーザー視点で考える「ユーザーファースト」を提唱しています。そのGoogleの仕組みのベースとなっている考え方は、ユーザーファーストが前提となっており、一時期主流となっていたハックやスパム的な施策による順位操作が通用しないように改良が重ねられてきました。

結果、「できるだけ労力をかけずに楽に成果が出る」方法は通用しなくなり、「ユーザーと向き合い、正しく取り組んで成果を出す」しか選択肢はなくなりました。

GOOGLEのしくみはまるで図書館

SEOを行うためには、主要プラットフォームであるGoogleの仕組みを理解する必要があります。

Googleの仕組みは図書館に似ており、Webサイトを一つの本と考えると、Googleの仕組みは以下の通りです。

Googleはまず本の存在と、その中身を知らないことには、検索結果に表示させようもありません。

そのため、Googleは「本の仕入れ担当」として、Google botという機能を持っています。Webのリンクをたどって巡回(クロール)し、新たなWebページを見つけ、それを「本の格納担当」に渡します。

本の格納担当はインデックス登録を行います。インデックス登録とは、見つけた本を精査し、本棚に格納することです。

見つけた本の中身すべてを本棚に入れるわけではありません。あくまで格納担当が「これは必要なページだ」と認識した場合のみ、Webページは棚へ格納されます。

その後、「本を探す人=ユーザー」が現れ、欲しい情報のリクエストがあり次第、格納されたWebページの中から、おすすめ順で紹介します。ここで本を探す人と会話し、おすすめ順を作成して各ページを紹介するのは「司書」の役割です。

Googleでの司書は、ランキングシステムにあたります。検索窓に打たれたワードを基に、必要そうな情報の需要を理解し、関連度が高く、情報ができるだけ確かだと思えるページを一覧で提供します。

知らない本が紹介されることはないため、つまり検索結果に出ることはありませんし、その本の中で紹介されている情報や著者も知りえません。ここで重要なことは、司書は本棚にある本を把握していますが、本棚にない本は把握していないということです。

SEOで成果を出すために必要な考え方

①SEOは最終的な結果が出るまで時間がかかる

SEOは、能動的に検索しているユーザーが対象となるため、モチベーションが高いユーザーに直接的にアプローチできることが大きなメリットです。

また、本質的に行えば、Webサイトに価値のあるコンテンツを充実させていくことになるため、Webサイトが一人の営業マンのように昼夜問わず接客してくれる資産となります。つまり、Googleの仕組みが大変動するといったケースでない限り、基本的に安定して集客することができます。

一方で、「成果が出るまでに時間がかかる」「競合が強い場合は、なかなか成果が出ない」といったデメリットも持ち合わせています。初めてSEOに取り組む場合、最低6か月間は必要です。早期に結果を求める場合は、SEO以外の施策を考えましょう。

また、取り組むことになった際には、競合性をチェックし、事前の仮説建てと想定される苦戦ポイントを抑えておくと良いでしょう。

②SEO施策の要素を分解して考える

Webを通じた集客では、以下が基本的な考え方となります。これはWeb広告にも当てはまるため、そういった施策を担当された方はピンとくるかもしれません。

表示回数 × クリック率 × コンバージョン率 = コンバージョン数

上記をSEOに置き換えると以下のようになります。

  • 表示回数(Imp) を増やす・・・狙った検索ワードで露出する
  • クリック率(CTR)を上げる ・・・検索順位を上げる or クリック率の高いタイトルにする
  • コンバージョン率(CVR) を上げる・・・流入したページで訴求し、CVに至る導線をベストな形にする

表示回数(Imp) を増やす・・・狙った検索ワードで露出する

表示回数を増やす際は、顧客となりえるユーザーが検索しているキーワードにおいて、上位に表示されることが必要です。

そのためにはターゲットの整理と、検索シーンの洗い出し、想定キーワードを整理しておく必要があります。SEOを行ってしばらく経つと、Googleサーチコンソール上に獲得できているキーワードのデータが溜まるため、サーチコンソールを見ながら改善を行っていきます。

Google Search Consoleとは、Google 検索結果でサイトのパフォーマンスを監視、管理ができる無料ツールです。

①検索上での表示回数、クリック数、平均順位の閲覧
②インデックス状況の確認
③Googleからのアラートメッセージの閲覧・管理
④リンク元・リンク先の確認
⑤内部リンクの確認

など、多くの機能を無料で使用することができ、これらを組み合わせて使用することで、より効果的なSEOができるようになります。

クリック率(CTR)を上げる ・・・検索順位を上げる or クリック率の高いタイトルにする

SEOでは、検索結果におけるクリック率(CTR)を高めることも重要です。検索結果では、基本的に上位ほどクリック率が高く、下位となるほどクリック率が低くなっていきます。

すなわち、クリック率を高めるのに最も手っ取り早い方法は、ページを上位に表示させることです。(キーワードによってクリック率は異なるため、例外もあります)

参考までに、海外のSistrix社が2020年に調査したGoogle検索のクリック率データでは、1位が28.5%とおおよそ3割、2位が15.7%、3位が11.0%となっています。11位以降は2ページ目となり、クリック率は平均1%台です。

これまで全くSEOを行ってこなかった場合、まずは想定したキーワードで検索結果の1ページ目に入れることから考えましょう。そしてゆくゆくは1位~3位となるように施策を進めていきましょう。

コンバージョン率(CVR) を上げる・・・流入したページで訴求し、CVに至る導線をベストな形にする

集客したユーザーがお問い合わせや商品の購入などのアクションを起こすことをコンバージョン(「転換」の意)、ユーザーがコンバージョンする率をコンバージョン率(CVR)といいます。

ユーザーが次の情報を知る、あるいは申し込みをするためのリンクを適切に設置し、サイト内の導線を改善することで、コンバージョン率が高まり、SEOによる集客効果がより高まります。

なお、SEOでは、一般的に検索キーワード数が少ないほどコンバージョン率が低く、検索キーワード数が多いほどコンバージョン率が高くなる傾向にあることは覚えておきましょう。

たとえば、「スマホ」と調べている人よりも、「スマホ 購入」と調べている人の方が少なく、購入意欲が高いことは想像できると思います。更に、「スマホ 購入 iphone 」と調べている人はもっと少なく、反して具体的に何が欲しいかハッキリしているため、購買意欲が高いことも想像できます。

具体的に実施する施策観点とおさえておくべき重要な資料

SEOは基本的にターゲットユーザーの検索シーンで狙ったページを上位に配置することになりますが、そのためには先述の「司書」に気に入ってもらう必要があります。

「司書」の評価基準は、Googleの「索品質評価ガイドライン*」を読み解くことで理解できます。 (*2022年12月15日 更新版)まずこれを読んでおきましょう。

ざっくり搔い摘むと、検索品質評価ガイドラインでは、情報を求めているユーザーが検索行動をした際に「検索者が求めている情報とマッチしているか?」という観点で、ページの情報内容、情報量、簡便性の3つと、

  • 内容    ・・・ユーザーが求めている情報を提供し、余分なものを含まない。
  • 量        ・・・需要に応じて、適切な量の情報を返す。
  • 簡便性 ・・・ユーザーが、迅速かつ最低限の手間で目的を達成できる。

検索者が信頼できそうなサイトか?責任をもって情報発信に取り組んでいるか?独自の実体験を伴った情報か?」という観点で、専門性、権威性、信頼性、経験の4つを重要視していると解釈できます。

  • 専門性・・・内容に専門的な知識がある
  • 権威性・・・特定分野の権威があること
  • 信頼性・・・コンテンツ制作者やサイトが信頼できる
  • 経験・・・コンテンツにある程度の経験が織り込まれているかどうか

実際にGoogleのスポークスマンの発言から推測していくと、「著者や監修者、加えて情報源を明確に示し、Googleへ伝えることが重要」と捉えることができます。

近年、chatGPTの普及により、情報発信の素材となる文章の作成が容易になりましたが、情報の伝番性、またそれに伴う企業の責任、結果としてその情報発信がユーザーの「CVしたい」と思う気持ちに呼応できるのか、などを考えると一部分の言語化に用いるまでが限界と考えます。

ブレストや文章表現の引き出しをサポートする役目は担えますが、その情報の責任はあくまで企業にある点は、留意して取り組む必要があるでしょう。

また、プロダクトレビューアップデートや、E-A-TがE-E-A-Tになったことを踏まえても、「実体験」や「生の声」がより評価されていく流れに向かっていくと考えられるため、コンテンツにおける一次情報の重要性はより増していくでしょう。

特に人生の決断に関わるような情報を提供するサイトは、情報を発信する側にも責任が求められます。Googleとしてもこれらの領域では、信頼性を担保するべく厳しく見ているジャンルです。企業の倫理観が厳しく問われますので、画面の向こう側にいるユーザーに誠意をもって対応しましょう。

上記の要点を踏まえたうえで、以下の3つのアクションを他のプロモーションや集客施策と組み合わせて計画し、検索を通じて丁寧に(まるでコンシェルジュのように)接客するようなサイトへの実装に変えていく。

  1. コンテンツ(ページ制作・改修)
  2. テクニカル(サイト構造、設計の改修)
  3. 外部評価の獲得(リンクビルディング)

これがWeb集客におけるSEOの基本です。

まとめ

以上、SEOの基本となる主要な情報と検索の仕組み、取り組む際の考え方をまとめました。

これらを踏まえてターゲットとなる方の検索シーンを想定し、信頼でき、またためになる情報を配置し、またGoogleに見つけやすくなるようにサイトを設計していきましょう。

具体的にSEOのプロジェクトを組む際には、以下の記事も参考にしてください。

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この記事を書いた人

美術大学卒業後、アイオイクス株式会社にWEBデザイナーとして入社。10年以上にわたり、数え切れない数のSEOプロジェクトに携わる。コンサルタントとして「事業理解に基づくWEBマーケティング」をモットーに、事業課題をWEBマーケティングの力で解決する支援を実施。

SEOだけでなく、戦略立案・CV改善・Youtube活用・ソーシャルツール活用など支援のカバー範囲は多岐にわたる。趣味は料理、絵を描くこと、サウナ。

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