ChatGPTとBardの違いについて調べていたらガンダムに辿り着いたんですけど

文系人間代表・ニイザワです。好きな武器は「海ヘビ」です。

昨今なにかと議論を生んでいるAIチャットボットですが、先日ついにChatGPTの対抗馬候補として噂されてきたGoogleの虎の子AI、「Bard」が正式に発表されましたね。

「Bird(鳥)」ではなく、「Bard(吟遊詩人)」という意味があるそうです。

さて、そんなわけでMicrosoftから巨額の投資を受けるOpenAIのChatGPTに対抗するために作ったと言わんばかりのタイミングで発表されたGoogleのBardですが、その性能や如何に。

というわけで、両者について調べつつ、明かされていない部分についても見解や予想を交えて書いてみようと思います。

君は、生き延びる事ができるか

目次

ChatGPTとは

Open AIが開発したAIチャットボットであり、学生から研究者まで短期間で爆発的に普及した。世界中の学生から宿題を終わらせるために使われている凄い奴。AI言語モデルには「GPT3.5」を搭載しており、その機能は折り紙付き。

公開から2か月でユーザー数は1億人を突破しており、最近ではマイクロソフトのBingの検索機能の一部に、ChatGPTで培った技術を反映、発展させたAI言語モデル「GPT-4」が取り入れられた。

自然な会話と言語を問わずやりとりできる能力と、データの分析、分類が得意。※後述

出典:OpenAI公式
参考:MSのAI搭載「Bing」、順番待ちリスト登録者数が48時間で100万人を突破

Bardとは

GoogleがChatGPTの勢いに危機感を覚え、後発で発表したAIチャットボット。

以前から開発を進めてきたAI、LaMDAの簡易軽量化版がBardであり、より多くのユーザーに触れてもらうことで学習を積み重ねる予定とのこと。
出典:Google公式ブログ「An important next step on our AI journey」

なるほどなるほど・・・つまり一言で言うとこういうことか。

「なんだかすごい会社(マイクロソフト)がAIチャットボット(ChatGPT)を発表して、それがものすごい性能で暴れててやばい(話題が沸騰してユーザー爆増、しかもこのAIチャットボットを検索エンジンに取り込むと発表)から、検索エンジン絶対王者の座に胡坐をかいてるわけにはいかない別のすごい会社(Google)もAIチャットボット開発に踏み切った」みたいなこと…………

ぜんぜん一言で説明できないよ!

たぶん、めっちゃ短く例えると、

「LaMDAがガンダムだとしたらBardはジムです。ChatGPTはザク。」

超絶図解・よくわかるBard

みたいなことだと思う。

全人類に分かりやすいように流れを機動戦士ガンダムで整理すると、

「地球世紀2023…ザク(ChatGPT)が強すぎてやばいので、ガンダム(LaMDA)で対抗しよう!でも高性能すぎるとコストがかかるからガンダムは1機だけ作って、充分なデータが取れたら簡易量産型のジム(Bard)をたくさん生産しよう!」
みたいなことですね。この例えなら全アースノイドに伝わることでしょう。
出典:機動戦士ガンダム公式サイト

で、この記事を公開したタイミングでは恐らくBardの全貌は公開されておらず、ましてや人類の末端に居るニイザワなんかには試運転もさせてもらえない状況にあります。

ChatGPTのように「実際に触ってみてどうだった」みたいなお話はできない状況にあるわけですが、この辺も「なんかジムとかいうモビルスーツが開発されてるらしいぞ、見たことないけど」みたいな状況と似通っていますね。完全に似通っています。似通いすぎ。

ChatGPTとBardの違い

Microsoft、Googleの両社の情報は2023年2月現在でも更新され続けており、あくまでこの時点での情報を記載している旨、あらかじめご了承ください。

両AIの断片的な情報をざっくり書くとこんな感じです。

・ChatGPTはアップデート版を作っており、後継モデルが実装される予定。

・マイクロソフト社の検索エンジン「Bing」にもその後継モデルが搭載される予定である。
出典:ChatGPT is about to get even better and Microsoft’s Bing could win big

・BardはLaMDAの簡易量産型であり、より多くの人に届けるために性能を抑えたモデルである。

・ユーザーに試作型を公開していないため、使い心地やChatGPTとの差異については推測の域を出ない。

出典:Google公式ブログ「An important next step on our AI journey」

なるほど。つまり全人類に理解できるように機動戦士ガンダムで例えると、

ザクは後継機のザクⅡを開発しており、乗り心地や整備性、AMBACによる機動性等、汎用量産機として優れたモビルスーツであることはパイロットに知れ渡っている状況で、今後ムサイ級戦艦に標準で配備されることに地球連邦軍は脅威を感じていると。

超絶図解・よくわかるChatGPT

それに対してジムは装甲やエネルギー出力をガンダムに比べて安価で燃費のよいものに抑え、生産性と操作性を一般のモビルスーツパイロットに合わせて量産することでザクⅡを圧倒しようとしている・・・
参考:機動戦士ガンダム公式サイト

と。なんてわかりやすい例えなんだ。天才か?

で、後発のBardへの期待感は自然と高まるわけですが、先日のデモンストレーションを見たユーザーの反応が芳しくなかったこともあり、Googleの株価が下落する事態に陥ったとか。
参考:Google’s bard ai chatbot gives wrong answer launch event

そんな中、ChatGPTのユーザー数はものすごい速度で増加し続けています。Bingにその機能が取り入れられてからはBing検索のユーザーも増加しており、今後益々増えていくことが予想できます。
出典:「ChatGPT sets record for fastest-growing user base – analyst note

一方、Googleは検索エンジン界で圧倒的なシェアを誇っているため、いくらBing検索のユーザーが増えているとは言え、ユーザー数だけで比較すればGoogleの抱えるユーザー数は実に10億人を超えており、現時点で両者のユーザー数にはおよそ10倍の開きがあると言えます。ほら地球連邦軍だ!最終的に物量で勝っちゃうやつだ!ガンダムだ!
参考:kinta.jp【2023版】トップ検索エンジン市場シェア

シェアやユーザー数の数は上記の「アースノイドとスペースノイドの人口の差」の例えで完全に理解していただけたかなと思うので、次は両モビルスーツ、もとい、両AIに共通する課題について考えてみます。

ChatGPT,Bard共通の課題点

AI共通の課題として、

1次情報の提示がされないことによる情報の不正確さが挙げられます。
 例えば下記のリンク、スクリーンショットでも、どちらも1次情報のソースについては言及していません。

・誤った解を吐き出す時も自信満々に言い切ってしまう。

正しい情報と誤った情報を混在させてしまうケースも見受けられるため、「あらゆる情報の正誤を判断させる」というような人智を超えた期待は禁物であると言えます。ええい!
参照:Yahoo! news「ChatGPTに対抗も誤り多数で大暴落、グーグルのチャットAI「Bard」は何が違うのか?」

正しい情報と誤った情報を併記している例。最後だけ間違っていることが全人類わかりますね。

検索機能の1部として活躍することは既にGoogleもMicrosoftもアナウンスしているため、
今後はこういった解の正誤を正確に判断するための学習を積み重ねて更なる進化を遂げるのではないかと考えています。

AIが人間の代わりに「ググる」時代へ

情報の不正確さや権利の問題などの課題点があるとはいえ、昨今の高度情報化社会において、人間に「※ググる能力」が求められていることは事実です。
※便宜上「ググる」としていますが、「Googleで検索すること」、「Bingで検索すること」どちらの意味も含みます。

個人の情報リテラシーだけではなく、知りたいことについて複数の情報を検索し、比較・検討し、問いに対して求める解を導き出す能力が必要とされています。

じゃあ、時間をかけて検索とデータの比較検討を行った末にようやく解にたどり着く、という作業は効率的なんでしょうか・・・?
もしAIに知りたいことを伝えるだけでこの「ググる」という作業を肩代わりしてくれるのであれば、こんなに嬉しいことはありません。

「AIチャットボットを使って検索エンジンをより良くしろ」というオーダーがあった時、恐らくAIであれ、それを開発する人間であれ、
「検索意図に対して、膨大な検索結果から本当に役に立ちそうなコンテンツを抽出する」という作業をAIに課すのは想像に難くないはず。


そのあと、こうも考えるはず。

じゃあどんなコンテンツが「役に立ちそう」と判断されるの?

はい。ここめちゃめちゃ大事です。
「役に立つWebサイトってなあに?」の基準はおそらく

現在と未来で変わることはほぼない

と思っていて大丈夫だと思います。

もちろん細かいルールはアップデート等によって変わるでしょうが、根本は変わりません。たぶん。
Googlebotが見つけやすいコンテンツは、AIからも見つけやすく、参照や引用をされるコンテンツになることでしょう。

これは恐らくどこの検索エンジンだろうが、どこのブラウザ使おうがどこのAIを使おうが同じで、

「コピペしてない、見やすい、分かりやすい、情報が正確、ページの読み込みが早い、情報たくさん」

ってところに収束するはず。

いかに賢いAIが発明されようとも、その叡智の恩恵を授けられる側はいつも人間であり、情報とは人間のためのものであるという絶対的な価値観は変わりようがない、というのが愚かな人類代表ニイザワの見解です。つまり

検索エンジンにとってのコンテンツの価値観と、AIが参照するであろうコンテンツの価値観に差異は生まれようがないのでは?

文章を生成してくれるAIのおかげで、粗製乱造の記事コンテンツが増えるのは火を見るよりも明らかです。

それに対して検索エンジン側の基準が厳しくなるだろうなあ、とは予想していますが・・・

果たして「ChatGPT」と「Bard」と「ガンダム」について書き殴った、このヒトの持つ力を詰め込んだコンテンツを検索エンジンたちはこの記事を何位に置くのか・・・

見せてもらおうか。

言いたくなっちゃった。

まとめ

・ガンダムは全人類が観ている
・Bardの性能は不明瞭であるものの、AI共通の課題は予測が可能。
・いつの間にかMicrosoftのBingのシェアが上がってきており、Google一強の時代が終わるかもしれない。

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この記事を書いた人

新澤大のアバター 新澤大 セールス/アソシエイト

アイオイクスのコンサルタント。
2024年の目標は「蝶のように舞い、蜂のように刺す」。

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