こんにちは。アイオイクスでSEOコンサルタントを務めております山内(@yutaka_ioix2023)です。
最近、投資対効果が見えないAI Overview(以下、AIO)への対応を迷われている方が多いと感じています。
そこで今回は、AIO対応は行うべきか?というテーマをもとに、実際にAIO対応を進める中で感じたことを紹介します。
AIO対応はこれまでのSEOと大きく変わらない?
Google検索におけるAIOの表示頻度が急増し、我々が支援している案件でも、CTRが大きく落ちている現象が確認されています。
Ahrefsの調査によると、AIOが表示されるクエリでは、表示されないクエリと比較して平均34.5%もCTRが低下。Amsiveでも15.49%のCTR低下が報告され、Similarwebは検索結果のクリック数が20%減少したと示しています。
参考元:More Studies Show AI Overviews Harm Google Click Through Rates
一方で、「AIOへの対応って成果が見えないため、意思決定がしづらい」という声も多くいただいています。確かにAI Overview経由の流入はサーチコンソールやGA4でも計測できないため、施策の検証や投資対効果が読めず、インハウスの方は特に動きづらいと理解しています。
しかし、弊社フェローの豊藏がXでも発信していましたが、結論「成果は見えづらい。けど、やらない理由にもならない。」と思います。
しかも、AIO対応で求められていることは、実のところ、これまでのSEOと本質的には大きく変わらないと考えています。
例えば、Geminiが参照しているデータソースは、結局のところGoogleの検索インデックスであり、検索エンジンが評価・表示している情報に基づいて構成されているからです。
参考元:GoogleはAI大規模言語モデルのトレーニングのために検索データを利用している
AIOでも同様のことが言えると考えており、SEOにて評価されているコンテンツが、AIOでの引用対象になるための前提であり、これまで積み重ねてきたSEOが、AIOの基盤になる可能性が高いと捉えています。
実際、私自身が直近のAIO出現頻度の高まりの中で感じた場面を紹介します。
基本に立ち戻る大切さ
AIOにどう向き合うべきか。私自身もずっと迷いながら手を動かしてきた、というのが本音です。ただ、色々と施策を試す中で感じたのは、結局やっていることの本質は、これまでのSEOとあまり変わらないということでした。
たとえば、ある記事では、冒頭に結論をしっかり置く、FAQを見出し直下にリスト形式で簡潔に整理するといった、「読みやすい構造」を改めて徹底しました。
そのうえで、記事の切り口に事例情報を組み込んだところ、後日、検索順位の上昇が確認できました。また、AIOに引用された可能性が高く、Search Console上でも該当キーワードのCTRがわずかに改善していました。
劇的な効果が出たわけではありませんが、基本となるユーザーが読みやすい構造、E-E-A-T視点からみた体験情報の強化というSEO施策が効いているなと実感した場面でした。
独自情報がないと諦めず、SEOの延長で考える
一方で、事例などの独自情報がない場合、「どうしても内容が薄くなっちゃうな……」と悩む記事テーマも少なくありません。
例えば「ネットショップ比較」というKWの場合、ここでは独自の体験情報が用意できず、比較表だけだと内容が平坦になってしまうという悩みがありました。そこで、「初心者の方向け」「カスタマイズ性を重視する方向け」「チームで利用する方向け」など、ユーザーの利用シーンにあわせて結論を提示する構成に変更しました。
これはAIO対応というより、より細かく検索意図に応えるために構成をひと工夫した、SEO上の施策でした。
結果として、AIOに引用されたかどうかは断定できませんが、エンゲージメントや滞在時間が改善し、「読まれる前に拾われる構造」に少し近づけたような感触がありました。
独自情報がないなら作る
E-E-A-Tの視点から「独自情報の重要性」は以前から言われてきましたが、「あったら入れたいよね」で終わってしまうケースが多かったと思います。
コンテンツへの体験情報を盛り込むために、独自情報を収集した案件もあります。シーズナルギフトを販売しているECサイトのSEOプロジェクトです。
この案件では中年層〜シニア層がターゲットで、AIOの使用年齢層が多いであろう若年層とは異なるため、AIOよりもSEOを重視して進行しています。
競合性が高いキーワードでの上位表示を目指し、2023年からアンケート調査による独自情報の収集をスタートしました。E-E-A-Tの視点から体験・レビューコンテンツの強化が必要と判断したためです。
2024年秋から、実際にアンケートやレビューをコンテンツに反映した結果、検索順位は3ページ目から1ページ目4位付近まで上昇しました。また、AIOにも引用サイトとして掲載される機会が増えています。
例)施策を実施したお正月関連キーワードの状況(1-3位)Ahrefs
2025年は「購入商品別」にユーザーセグメントを切ったアンケート調査を予定しており、「商品ごとの選んだ基準」や「注目商品のレビュー」などより具体的な情報を発信できるよう準備を行っています。
変わったのは「表示の形式」でSEOの延長線上にある
AIOへの対応と聞くと、「何か新しいことをしなければいけないのでは?」「結局何をすればいいの?」と戸惑う方も多いと思います。
ただ私の実感としては、「新しい施策を急いで導入する」よりも、「これまでのSEOで大切にしてきた考え方を丁寧にやる」ことのほうが、効果があると感じています。
・簡潔な結論を先に示す
・より細かい検索意図に応える構成にする
・信頼性ある情報を入れる
・可能であれば独自情報を得るための動きをつくる
前述した上記の施策は、AIOの出現より前から、SEO施策として重要視されてきたものです。それらのSEO施策を基盤に、AIにも読み取られやすい形で調整する必要があると考えています。
AI時代に向けて、これまでSEOにて大事にしてきたことを、これからも丁寧に積み重ねていく。そんな地に足をつけたようなご支援が、クライアントさまのお役に立てると感じています。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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