こんにちは、アイオイクスの赤沢(@akazawa_ioix)です。

これは、7月7日のJapan SEO Conference 2026(JSC26)で弊社ブースが実施した、「2026年下半期、最も注力するのは?」というアンケートの結果です。会場で79名の方にご回答いただき、1位は「指名検索の強化」で43%。2位の「サイト内設計・クローリング/インデックス施策」(28%)を15ポイント上回っています。
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JSCのセッション内でも、デジタルPRやブランドリフトといった話題が繰り返し語られていました。AI検索が広がり、「どのブランドとして認識され、言及されるか」が問われるようになった今、指名検索の強化は、SEOに携わる私たちにとって大きなテーマになっていると感じます。
では、実際に何をしたら指名検索は増えるのでしょうか? この問いに明確な答えを持っている方は、意外と少ないかもしれません。
指名検索を増やす手段としては、たとえば次のようなものが考えられます。
- 自社メディアでの発信頻度を上げる
- プレスリリースなどのPR施策
- SNSでのキャンペーン
ただ、どれが本当に効くのかと聞かれると、自信を持って答えるのは難しいところです。
そこで今回は、アイオイクスの指名検索が、これまでどんな要因で増えたり減ったりしてきたのかを調べてみたいと思います。
直近のアイオイクス社内での取り組みと併せてご紹介していきますので、少しでも参考になりましたら幸いです。
7〜9月に取り組んだこと
「指名検索を増やしたいよね」というのは、社内でも以前から話に出ていたテーマです。
その一方で、SEOの支援会社でありながらお恥ずかしいのですが、自社のマーケティングにはなかなか手が回っていませんでした。
そこで7月以降、まず自社メディアでの発信を立て直すところから取り組んできました。
- 7月:JSC26への参加(ブース出展・会場アンケート)、公式Xでのプレゼントキャンペーン
- 7〜9月:社員ブログ、公式X、note、翻訳記事の更新頻度を改善
いずれも指名検索を直接狙った施策ではありませんが、発信が増えたこの3か月で指名検索に変化があったのかは、正直気になるところです。
その答えも含めて、次の章でデータを見ていきます。
「アイオイクス」「SEO Japan」の指名検索データ
データ概要
今回調べたのは、次のデータです。
- 対象ワード:「アイオイクス」「アイオイクス 株式会社」「SEO Japan/seojapan」「ioix」と、「アイオイクス SEO」のような掛け合わせ
- 期間:2022年10月〜2026年9月の4年分
- データソース:Googleのキーワードプランナー(月間検索ボリューム)をメインに、Ahrefsの推定ボリュームと、Search Consoleの表示回数で傾向を確認
- 比べたもの:社員ブログ・翻訳記事・マーケティングガイドの公開日(月ごとの公開本数)、PR TIMESの配信履歴、Xとnoteの投稿数(Xは直近1年分)、7〜9月の取り組み、SEO支援会社5社の指名検索(社名の表記ゆれを合算)
進め方は前回の記事と同じく、AIと壁打ちしながら「何が指名検索を動かしていそうか」の仮説を立て、数字はツールの一次データで確かめる、という形です。
手順自体はシンプルなので、どの会社でも再現できると思います。
- キーワードプランナーで、指名ワードの月別の検索ボリュームを出す
- 自社の発信やPR、ニュースの日付を時系列で並べる
- 指名検索の山や谷と、2の出来事が重なっているかを見る
- ほかのツールでも同じ傾向が出ているかを確かめる
全体の推移:4年でほぼ半減
まず、全体の推移です。「アイオイクス」の月間検索ボリュームを、10月〜翌9月の1年ごとに平均すると、次のようになりました。
| 期間 | 月間検索ボリューム(月平均) |
| 2022年10月〜2023年9月 | 324 |
| 2023年10月〜2024年9月 | 282 |
| 2024年10月〜2025年9月 | 198 |
| 2025年10月〜2026年9月 | 154 |
ピークは2023年2月の480で、1年ごとの平均で見ると、4年でほぼ半分になっています。Ahrefsの推定値でも、2023年初めをピークに下がり続ける同じ形でした(Search Consoleは2024年4月以降のデータですが、こちらも下降傾向です)。

お恥ずかしい話ですが、自社のマーケティングに手が回っていない間に、指名検索は気づけば半分になっていました。クライアント様には「まず現状を把握しましょう」とお伝えしている立場として、なかなか耳が痛い結果です。
市場全体の傾向:他社も減少、ただし減り方には差がある
ただ、この数字だけで「発信が足りなかったから減った」と結論づけてよいのかは、少し考える必要があります。AIに質問して情報を集める人が増えており、市場全体で指名検索が減っている可能性もあるからです。そこで、SEOの支援を行う他社5社(A〜E社)の指名検索も、同じ方法で調べてみました。
比較にあたっては、「株式会社〇〇」「〇〇株式会社」や英語表記など、社名の表記ゆれを合算しています(例:アイオイクスは「アイオイクス」「アイオイクス 株式会社」「ioix」の合計)。社名以外の意味で検索されやすい表記は除外しました。また、各社のボリュームには大きな差があるため、最初の1年(2022年10月〜2023年9月)を100とした指数で比べています。

6社のうち5社は、直近1年が最初の1年を下回っています。また、2026年7〜9月の3か月だけを前年の同じ時期と比べると、A〜E社は−9 〜 −27%と、すべてマイナスでした。AI検索の広がりなどを背景に、市場全体で指名検索が減る傾向にあると言えそうです。
ただし、その中でもアイオイクスの減少幅は−38%と、6社で最も大きくなっています(表記ゆれを合算しているため、前節の「アイオイクス」単体の数字とは異なります)。一方で、D社は4年前とほぼ同じ水準を保ち、E社の減少も−9%にとどまりました。同じ市場にいても、減り方には会社によって大きな差があります。
なお、指名検索には、株価や採用、SEO以外の事業など、会社全体への関心も含まれます。そのため、この比較だけで各社の施策の効果を判断することはできません。それでも、「市場が縮んでいるから仕方ない」とは言い切れないことが、数字からも見えてきました。
わかったこと① 前提:「SEO Japan」はノイズが大きい
最初にわかったのは、「どの言葉を指名検索として見るか」から考え直す必要がある、ということでした。
アイオイクスは「SEO Japan」という名前でメディアを運営しているので、当初は「SEO Japan」も指名検索として見ていました。ところが「seo japan」の検索ボリュームは、2023年12月(月480)や2025年2〜7月(月320〜390)に、「アイオイクス」とはまったく関係なく跳ねています。
4年分の月別データで「アイオイクス」との相関を取ると、相関係数は0.12。ほぼ無相関でした。1年ごとの平均も140→222→250→104と、「アイオイクス」とは違う動きをしています。
「SEO Japan」は、「日本のSEO」という一般的な意味で検索されることもありますし、海外からの検索も混ざっていると考えられます。そのため、長期の推移を見るメインの指標としては、「アイオイクス」のほうが適切だと判断しました。
サービス名と社名が違う、ブランド名が一般的な言葉に近い、といった会社は少なくないと思います。指名検索を増やす施策を考える前に、まず「どの言葉が自社のプレゼンスを測るのに適しているか」を検討する必要があるかもしれません。
わかったこと② 発信を増やした効果は、すぐには数字に表れにくい
次に、発信の量との関係です。社員ブログ、翻訳記事、マーケティングガイドの3種類について、公開日をもとに月ごとの公開本数を数え、指名検索の推移と比べてみました。
4年間を通して見ると、社員ブログと翻訳記事の公開本数は、2022年10月〜2023年9月の37本から直近1年の14本まで減っており、指名検索も同じように減っています。ただ、マーケティングガイドも含めると、公開本数が最も多かったのは2023年10月〜2024年9月(89本)でした。ところが、この年の指名検索は前の年を下回っています。
月ごとに見ると、関係はさらに見えにくくなります。4年間の右肩下がりの傾向を除いて比べると、公開本数と指名検索の相関はほぼゼロです。記事を多く出した月や、その1〜2か月後に指名検索が増える、というわかりやすい連動は確認できませんでした。反対に、2026年で指名検索が最も多かった3月(210)は、noteを除き、記事の公開もXの投稿もなかった月です。
PR TIMESでのプレスリリースについても、同じことが言えます。4年間で配信した8本(セミナーの告知、独自調査、新サービスの発表など)について前後の月を見ても、指名検索に目立った山は見当たりません。
そして、冒頭で触れた2026年7〜9月です。発信頻度を上げたこの3か月は、1〜6月と比べて、月あたりの発信量が大きく増えました。社員ブログ・翻訳記事・マーケティングガイドは月1本から約2.3本、Xの投稿(返信を除く)は月約2.7件から15件、noteは月4本から約6.7本です。Xのインプレッションも、月約7,000から約3.4万へと伸びています。では、指名検索は増えたのでしょうか。

キーワードプランナーの「アイオイクス」で見る限り、はっきりした増加は確認できませんでした。2026年1〜6月の月平均は167でしたが、7月は170、8月と9月は110です。7〜9月の平均(130)は、前年同期(183)と比べて約3割少なくなっています。ただ、「市場全体の傾向」で見たとおり、同じ時期は他社もそろって前年を下回っていました。
JSC26への参加やXのキャンペーンを行った7月にも、目立った山は見られませんでした。キャンペーンの告知投稿は約2.4万インプレッションと、この1年で最も多く表示された投稿でしたが、「アイオイクス」の検索が目に見えて増える形にはなっていません。Ahrefsの推定値やSearch Consoleの表示回数で見ても、「アイオイクス」は同じ傾向です。
その一方で、前向きに捉えられそうな動きも見つかりました。①では「SEO Japan」をノイズが大きいとしましたが、Search Consoleで日本からの検索に絞り、「seo japan」の表示回数を見てみると、4〜6月の月平均約235回に対して、7月は313回、8月は366回、9月は273回でした。この間、SEO Japanのサイトは検索結果の1〜2位前後で安定していたので、表示回数の増加は、検索された回数そのものが増えた可能性が高いと考えられます。キーワードプランナーでも、「seo japan」は1〜6月の月平均100に対し、7〜9月は約127と、やや増えています。
もちろん、表示回数は検索ボリュームそのものではありません。前年同期(2025年7〜9月)と比べると、まだ下回る水準です。JSC26の時期と重なるため、イベント関連の検索が混ざっている可能性もあります。それでも、社名より先に、メディア名である「SEO Japan」のほうに、発信の手ごたえが表れ始めているのかもしれません。
まとめると、3か月という短い期間では、社名「アイオイクス」の検索ボリュームに、はっきりした成果はまだ表れていません。ただ、メディア名の「SEO Japan」には小さな変化が出始めています。4年という長い目で見れば、発信量と指名検索は一緒に減っていたので、発信の効果は、時間をかけて表れるものなのだと思います。
わかったこと③ 明確に増加したのは個人に関する話題
では、過去に指名検索がはっきり増えたのはいつだったのか。
4年間で明確に跳ねたのは、2023年2月(月480)の1回だけでした。きっかけは、社内の個人に関する、意外性のある話題です。
ただし、この山は一過性で、翌月には元の水準(月320)に戻っていました。
話題性で一時的に山をつくることはできても、それだけでは継続的な底上げにはつながりません。山の大きさだけで施策を評価すると、判断を誤りそうです。
わかったこと④ 「アイオイクス=○○」という認識が弱い
最後に、掛け合わせの検索についてです。
「アイオイクス SEO」「アイオイクス LLMO」のように、社名と事業内容を組み合わせた検索は、検索ボリューム・Search Consoleともにほぼゼロでした。社名を知っている人はいても、「SEOの会社」「AI検索に詳しい会社」として探されているわけではない、と言えそうです。
一方で、少し気になる動きもありました。Search Consoleで、AIモード由来と思われる会話型の検索が、わずかながら出てきているのです。
- 「アイオイクスとはどんな会社?」
- 「アイオイクスと〇〇(他社名)、SEOコンサルを頼むならどちら?」
件数はまだごくわずかですが、AI検索の広がりとともに、社名が「比較」や「評判」の文脈で調べられ始めている兆しかもしれません。
今後の方向性
ここまで見てきて、「これをすれば指名検索が伸びる」という明確な答えは、正直なところ見つかりませんでした。ただ、発信を増やしてもすぐに社名の検索が伸びるわけではないこと、そしてメディア名には小さな変化が出始めていることは見えてきました。
そのうえで、アイオイクスとして今考えている方向性を、3つ挙げます。
- まずは、「信頼のおける情報源」というブランドを維持すること。SEO Japanとして、海外のSEO情報を正確に届ける発信は、今後も変わらず大事にします。
- 次に、人がシェアしたくなるようなWeb上での発信を、地道に続けていくこと。
- そして、④で見えた「アイオイクス=○○」という連想の弱さを踏まえて、「SEOやAI検索の情報といえばアイオイクス」と思い出してもらえるような発信を意識していきます。
「指名検索を増やす」という命題に取り組む際のチェックリスト
今回の調査を通して、指名検索を増やす施策を考える前に確認しておきたいことを、チェックリストにまとめました。社内で「指名検索を増やしたい」という話が出たときに、ぜひ使ってみてください。

- 指名ワードを定義する:社名・サービス名・略称のうち、どれが本当に自社を指しているか。一般的な言葉や海外からの検索が混ざっていないか
- 複数のデータソースで推移を確認する:キーワードプランナー・Search Console・サードパーティツールの傾向が一致しているか(Search Consoleの表示回数は検索ボリュームではない点に注意)
- 過去に「何で動いたか」を確認する:自社の発信・PR・ニュースの時期と、指名検索の山を突き合わせる
- 「掛け合わせ指名」を見る:「社名×事業内容」の検索や、AI検索由来の比較・評判の検索があるか=「○○といえば自社」の連想ができているか
- 一時的な山と継続的な底上げを分けて評価する:話題で跳ねた山は、翌月には戻ることもある
おわりに
指名検索を増やす「正解の施策」は、少なくとも自社のデータからは見つかりませんでした。発信を増やした7〜9月も、「アイオイクス」の検索ボリュームとしては、まだ成果が見えていません。
今回のデータを振り返ると、指名検索は、何か一つの施策を打てばすぐに増やせるものではないのだと感じます。話題性で一時的に跳ねることはあっても、翌月には元に戻ってしまいます。一方で、4年という長い目で見ると、発信量と指名検索は一緒に減っていました。だからこそ、短期の数字に一喜一憂せず、腰を据えてコツコツと発信を積み重ねていくことが大事なのだと思います。
改めて感じたのは、自社のことになると、普段クライアント様にお伝えしている「まず現状を測る」という基本が抜けていた、ということです。SEOの支援会社でもこうなるのですから、限られたリソースで多くの業務を抱える事業会社の担当者の方であれば、なおさらではないでしょうか。
それでも、「何がすぐには効かないか」と「今どこにいるか」がわかったことは、大きな収穫でした。何から手をつけるかを考えるための、出発点に立った気がしています。
これからも地道な発信を続けながら、その結果はまた、このブログでご報告します。
アイオイクスではLLMO・SEOを軸としたWebコンサルティングサービスを提供しています。
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