Japan SEO Conference 参加レポート|環境は変わる、本質は変わらない。AI時代の検索を考える3つの論点

はじめまして、アイオイクスの赤沢と申します。

半年ほど前にアイオイクスへ入社し、クライアント様へご提出するレポートまわりのサポートや、SEO Japanの発信にも一部携わってきました。

このたび、Japan SEO Conference に参加させていただく機会をいただき、そのレポートとして、社員ブログという場に初めて筆をとらせていただきます。

今回、アイオイクスはスポンサーの一社としてこのカンファレンスに協賛し、会場にブースも出展しました。運営を支える側として関わりながら、一参加者としてセッションからも多くを持ち帰ることのできた、贅沢な一日でした。

「SEOは終わった」という言葉があちこちで聞かれる一方で、会場で語られていたのはむしろその逆——検索とマーケティングがAIによって大きく組み替えられていく、その渦中でプレイヤーとして何を考え、何をすべきかという、極めて前向きで実践的な議論です。

本レポートでは、複数のセッションを横断して自分なりに考えた「今後に向けての3つの論点」を軸に、当日の学びを整理します。あわせて、懇親会での交流や、スポンサーとして出展したアイオイクスブースの様子もお伝えできればと思います。

非常に情報量の多い会でしたので、当日参加できなかった方にも、参加された方の振り返りにも、少しでも参考になれば幸いです。

目次

セッションを受けて考えた、今後に向けての3つの論点

論点1:検索環境・ユーザー行動の変化にどう対応するのか

検索環境の変化は、もう待ったなしです。オーガニックCTRの低下やAI検索利用の急拡大といった数字はもちろんですが、自分自身を振り返っても、何かを検討するときにAIやYouTube、SNSなど検索以外のプラットフォームを使う機会が確実に増えています。ユーザーの情報探索は、明らかに「検索」の外側へ広がっています。

まず既定路線の対応として必要なのは、キーワード単位ではなくカスタマージャーニー全体を最適化するという発想の転換です。具体的には、エンティティへの注力やデジタルPRの強化。最近アイオイクスで公開したトピッククラスターに関する記事は、まさにその一例にあたる施策だと考えています(ミエルカチャンネルでの解説動画もあわせてご覧ください)。

そのうえで、今後いちばん考えていくべきは「どう成果を測っていくか」だと感じました。これはアイオイクスの案件でも、クライアント様とよく議論になる部分です。現状で確実に計測できるのは、AIの回答に貼られたリンクをクリックして流入したケースのみ。AIをきっかけに認知したユーザーが、AIチャット内で検討を進めたり、後日あらためて指名検索でサイトを訪れたり、といった行動までは追いきれません。今のところは、指名検索のボリュームやDirect流入などから間接的に推し量るしかないのが実情です。

この計測というテーマは、UI/UX・アクセス解析のセッションでも触れられていました。なかでも木田さんの「セッションはお財布を持っていない」という言葉が印象的で、セッション軸ではなくユーザー軸で見るという視点は、これからの計測を考えるうえでのヒントになりそうだと感じています。

インプレッション→クリック→流入→CVという明確な計測に慣れてきただけに難しさは感じますが、これは一種のゲームチェンジ。SEOの守備範囲そのものが広がっていると捉えて、前向きにチャレンジしていきたいと思います。

論点2:これからのコンテンツ戦略をどう設計していくのか

『「体験」と「ストーリー」AI時代も成果につながるコンテンツに、なぜこの2つが欠かせないのか?』のセッションで田島さんが話されていた「AIによってエンティティ評価の精度が上がり、SEOとPRがこれまで以上に地続きになっていく」という言葉が、強く印象に残りました。

論点1でも触れたとおり、SEOの一環としてデジタルPRの重要性は増していますし、コンテンツ戦略を考えるうえでも、キーワード単位ではなくエンティティ単位で捉える必要が出てきています。あわせて、これもデジタルPRの一部に含まれると思いますが、AIやWeb上で自社・自メディアがどう語られているかを整えていく、レピュテーション管理という視点も欠かせなくなってくると感じています。

そして1日のセッションを通して感じたのは、結局のところ「ユーザーにとって有益な、独自のコンテンツが求められる」という、SEOでこれまで言われ続けてきた本質は変わらない、ということでした。ただ、求められるレベルは確実に上がっていて、発信の仕方にもより工夫が要る、という印象です。

具体的には、2つの視点が必要だと感じました。ひとつは、AIでは生成できないコンテンツであること。まさに「体験」や「ストーリー」、独自情報がここに当たります。もうひとつは、切り抜かれても強さを失わないコンテンツであること。自社で制作したコンテンツがそのままユーザーに届くことは、むしろ少ない。そう前提を置いたうえで向き合っていく必要があると感じています。

論点3:10年後のSEOを見据え、今何をすべきか

『若手SEOerはどんな未来をみているのか|全盛期を知らない世代が、AI時代の検索を語る』のセッションには、アイオイクスのフェローも務めている豊藏(@shotatykr)が登壇しました。

私自身も30歳、アイオイクス入社から半年と、業界のなかではまだフレッシュな立場です。そんな立場で日々感じているのが、SEOの歴史を知識としては知っていても(リンク販売が横行していた時代など)、それを肌感覚としては持っていない、というギャップでした。正直、これまではそこをビハインドとして捉えていました。

ただ、このセッションでの伊藤さんのお話が、その見方を少し変えてくれました。

いわく、今はGSCでクエリが見えるからこそ、ユーザーがどんな検索意図でどんなキーワードを打つのか、という肌感覚を養える。しかしAIについては、キーワードやプロンプトがどんどん見えなくなっていく。

つまり今後は、この肌感覚を養うこと自体が難しくなっていく、と。裏を返せば、今だからこそ得られるものが、絶対にあるということです。

もちろん過去からの流れを押さえておくことも大切ですが、10年後を見据えてやるべきは、今できること・今わかることを活かして、自分のものにしていくことなのだと思います。豊藏も「ずっと自分の手を動かしていたい」と話していたように、一つひとつの業務に丁寧に向き合いながら、将来の財産になる知見をためていけたら…。そう感じたセッションでした。

まとめ

3つの論点を通して感じたのは、環境が大きく変わっても、①ユーザーを起点にカスタマージャーニー全体で捉え、②AIには作れない独自のコンテンツを届け、③今できることに手を動かして向き合う——という、根本的な考え方自体は変わらない、ということでした。

『UCPでECはどう変わる?エージェンティックコマースへの備え』のセッションでも藤原さんが「自分たちのブランドに、どんなバリューがあって、何を提供できるのかを明確にするべき」というお話をされていました。

まさに、「SEO」という言葉やこれまでの業務領域にこだわらず、視座を上げて考えていくことが求められていると強く感じる1日でした。

懇親会での交流からの学び

懇親会では、乾杯の音頭をアイオイクス事業部長の遠藤(@KouzaburouE)が務めさせていただきました。スポンサーとしてこうした形で会を盛り上げる一翼を担えたこと、大変光栄に思っております。

短い時間ではありましたが、業種も立場も異なるさまざまな方とお話しする機会をいただき、多くの刺激を受けました。

会話のなかで印象的だったのは、GEOや計測まわりのセッションに関心を寄せていた方が多かったことです。なかでも「AI関連の指標をどのように計測しているか」という話題は特に盛り上がり、皆さん一様に手探りで向き合っているのだと実感しました。セッションで語られていた「AI内の行動は測りにくい」という論点が、現場のリアルな悩みとして共有されている——その温度感を肌で感じられたのは、懇親会ならではの学びでした。

お話しさせていただいた皆さま、本当にありがとうございました。

【おまけ】アイオイクスブースの様子

今回アイオイクスはスポンサーとしてブースを出展し、来場者の皆さまと直接お話しできる場をいただきました。

ブースでは、景品のTシャツやマグカップ、ステッカーなどをご用意し、いつもPDCAを回している皆さまに、今度は”スロット”を回していただくという催しを実施しました。ありがたいことにかなりのご好評をいただき、X上でもたくさんのポストをいただきました。ありがとうございました!

なかでもTシャツが大人気で……今後どこかで入手いただける機会があるかもしれません。ぜひご期待ください。

また、ブースで取らせていただいたアンケートの結果も、近日公開を予定しています。こちらもあわせてお楽しみに。

おわりに

改めて、素晴らしいカンファレンスを主催してくださった Faber Company の皆さま、そして登壇者の皆さまに、心より感謝申し上げます。これだけ密度の高い議論を一日で浴びられる場は、そう多くありません。今回スポンサーの一社として、こうしたイベントを支える側に加わらせていただけたことも、たいへん光栄でした。ともに会場を盛り上げたスポンサー各社の皆さま、そして何より、ブースに足を運んでくださった来場者の皆さまにも、この場を借りてお礼を申し上げます。

そして、やはりリアルイベントは良いなと、あらためて感じました。セッションで得られる情報はもちろんですが、ブースでの立ち話や、休憩時間・懇親会でふと交わす会話、同じ課題に頭を悩ませている人がこんなにいるんだという実感——こうした空気は、その場に足を運んでこそ得られるものだと思います。

検索とマーケティングが大きく変わろうとしている今だからこそ、こうして立場の違う人たちが一堂に会し、率直に議論できる場の価値はますます高まっていくはずです。来年のカンファレンスを今から楽しみに、一段とアップデートされた景色を持ち寄れるよう、日々手を動かしていきたいと思います。

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この記事を書いた人

2025年11月にアイオイクスに入社いたしました。レポート周りのサポートや、SEO Japanの発信に携わっており、シンプルでわかりやすい情報発信を心がけています。

趣味は旅行・ピラティス・ボードゲーム・刺繍など。ハリポタシリーズが好きでグッズを集めがちです。

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