遠藤(@KouzaburouE)です。最近、中島聡さんの『2034』という本や、AIの未来を語る本を読んでいますが、”検索という行為が過去のものになっていく”という未来の話がちょくちょく出てくるなーと思います。
AIが情報探索を代行する、ベーシックインカムで世の中が回る、という未来です。
「すごい世界かえるじゃん、AI。こわ。」
「その世界になったらいいけど、なるまでの経過途中がめっちゃ苦しそうだな。」
なんて悲観的に読んだりもするわけです。新しいテクノロジーは、「すげー!!」とワクワクする反面、あまりにすごくて「一体どうなっちゃうんだ!!?」という不安もやっぱりあります。
ですが、最近、心配するところが違ったかもな、と思い直しています。きっかけは、ぜんぜん別の本でした。
「めんどくさいの肩代わり」と「打席に立たない評論家」
事業家botさんの『金儲けのレシピ』という本があります。だいぶ前の本なんですが、商売の原理原則を身も蓋もなく言い切っていて、個人的にかなり好きで。私は時々読み返します。
金儲けのレシピ
その中に、ざっくり言うとこういう話が出てきます。商売とは、他人の「めんどくさい」を代わりに引き受けることだ、と。そして、いくら立派な分析をしたところで、自分で打席に立って実行しない評論家には、世の中は1円も払わない、と。
これを読み返していて、「これAIが来ようが来まいが、うちみたいな支援会社がやってることって、ここから1ミリも動かないのでは?」と思いました。
クライアントの「めんどくさい」が消えるから、お金が払われている。 やるべきは、他者の『めんどくさい』を感じ取り、不要なものは「要らない」と『捨てる判断を提供』し、要るものは圧倒的なスピード・量・質で『実行』に導くこと、かつ、それを納得いただける形で進めることです。
増えた作業を肩代わりすることに値段がつくわけじゃなく、「要る・要らないの選択」+「要るものの実行スピード」+「説明責任」のセットって所が重要だと思っています。
AIが来て、「めんどくさい」はむしろ増えた
やり方の中身は、確かにどんどん入れ替わります。でも、クライアントの「めんどくさい」の方は、AIが来て減るどころか、むしろ加速して増えてる。案件で毎日それを感じます。
たとえば「Googleのアルゴリズムやら、AI生成コンテンツへの対応やら、AI Overviews・AI Modeの導入やらで、しょっちゅう変わる。ChatGPTやGeminiやClaudeも、仕様がコロコロ動く。この情報に目を配り、対応の要・不要を仕分けて、必要であれば対応を打ち直し続ける。」
好奇心・探求心旺盛な人がカバーしてくれればいいのですが、いない場合は・・・めんどくさいですよね。
または、
「AIを使って、大量の情報を一瞬で分析したレポートを、わかりやすい形に変えて、チームに展開し、実際にサイトに実装して、運用して、成果が出るまで並走する」
「AIの出力は毎回、各ユーザーで、文脈ごとに、内容は変わっていくが、この計測方法で良いのか?良いとしてもどのように意思決定につなげるのか?を上席へ説明可能な状態にしていく」
「今の組織の割り方=各人のミッションが広報・マーケで分かれていて、横断して協力するために、別部署の力学に沿って説明し直さなければいけない」
・・・などなど。
自分だけのチームなら、いっそのことすべてAIで実装するので問題ないと思いますが、既存のチームがあってガバナンス上の理由から実装部分でAIを使えないとなると、やることだらけです。
AIは、この分析レポートを量産するのが本当に得意です。でも、打席に立たない分析には、世の中は1円も払えない。レポートが仮に100点でも、実行判断が0点なら、クライアントのめんどくさいは消えてないからです。
めんどくさいを引き受ける仕事は古くならない
そう考えると、怖がる場所が違ったな、と思うわけです。
「検索行動を活用して事業を成長させるために、クライアントのめんどくさいを、代わりに引き受けて、捨てるものの判断を行い、実行まで消し去る」という商売そのものは、古くはならない。むしろAIで、めんどくさいの量も種類も増えていく。
やり方(How)が古くなるのは、当たり前です。被リンクの時代も、コンテンツの時代も、今のAI対応も、全部いつかは古い手になる。プラットフォームが変われば、ルールが変化するのは当然です。
あらゆる道具を全部使い倒して、もっと高い質で、もっと速く、めんどくさいを消せばいい。
向き合うところは「成果に向かうプロセスの中で増えていく”めんどくさい”をどれだけ軽減し、質の高い意思決定を支援できるか?」なのだと思います。
いま我々が引き受けるべき「めんどくさい」
さっき「いちばんめんどくさいかもしれない」と書いた、「情報を追って、要否を仕分けて、報告・起案にして、チームに展開して、サイトに実装して、運用して、成果が出るまで並走する」このAI検索周辺の”めんどくさい”。
これを引き受けるために作ったのが、先日リリースした「LLMO診断」と、その先のコンサルティングです。
最初の診断で、いまどこに穴があって、限られた予算で何から手をつけるべきかを、根拠つきで出します。ただ、診断(レポート)を渡して終わりになってしまうと、この記事で書いた「打席に立たない評論家」と一緒です。だから診断で止めず、実装と運用までを並走する形も準備しました。
AI検索で文脈が多くに広がることになったからこそ、オンサイトのコンテンツ設計も重要になると考えています。
4月に2万字のトピッククラスター記事を書き、ミエルカチャンネルでも解説しましたが、これも結局は「オンサイトのコンテンツ文脈設計と運用への落としがめんどくさい」を少しでも引き受けたかったからです。
こちらがミエルカチャンネルでの解説動画。AI検索時代のサイト内は、”「勝てる文脈」を内部リンク含めて設計すべき”という考えです。
それっぽいトピクラ施策はよく見かけるのですが、ちゃんと実施できている企業は少ないのではないか?と思っています。
もし「今のオンサイト施策でAIにも対応できているか不安」「言われた通りやっているけど、AI検索対応は本当にこれでいいのか?」と思うようなことあれば、そのあとの”めんどくさい”ごと、一度ぶつけていただき、要らないことに時間を使わず、要ることに集中できるようにします。
おわりに
最初の「AIがこわい」が全部消えたわけじゃありませんが、見方はだいぶ変わりました。
やり方が古びるではなく、めんどくさいから逃げて、きれいなレポートだけ出して打席に立たなくなること。たぶん、怖がるべきはそっちです。ですし、そっちのほうが、ずっと危ういと思っています。
ということで、支援会社の出番であるめんどくさいところはこれからも、いやこれまで以上に、情報と内容の変化に最適化し続けて、使える武器を使いこんでいきたいと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。『2034』も『金儲けのレシピ』も、どちらも面白いのでおすすめです。
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