SEOを外部発注する前に知っておきたいプロジェクトの全体像と進め方・実施内容

こんにちは、アイオイクスの石戸(@idist_410)といいます。

普段はアイオイクスのWebコンサルティング事業部で、コンサルタント/セールス/自社マーケティングを担当しています。

アイオイクスでは、SEO(検索エンジン最適化)をサービスとして提供させていただいているのですが、お客様との商談の場において、「SEOのプロジェクトの進め方」について説明する機会が多いと感じています。

  • SEOの前提(SEOとは)
  • 施策の効果はどの段階で現れるのか
  • プロジェクトの進行管理はどのように行うのか など

ただ、SEOはどうしても概念として大きいため、説明する量が多くなりがちです。

そのため、双方にとって、SEOプロジェクトの進め方を確認する時間は、想像以上に体力を使っているのではないかと思います。

もちろん、SEOの話をするのも重要なのですが、それ以上に重要なのは「SEOで何を実現するのか」「何を達成するのか」です。時間と集中力は有限ですから、可能な限り重要なことに使うべきだと考えています。

そこで今回の記事では、「SEOプロジェクトの進め方」について、SEOコンサルティング会社である私たちの立場から、なるべくわかりやすく解説します。

「商談の場までよくわからない」という状態より、「進め方は理解している。あとは相性やプランニングで確かめる」といった状態の方が、効率良く検討いただけるかと思い記事を書きました。

今後、SEO施策の実行や、コンサルティングの依頼を検討されている方の参考になれば幸いです。

目次

SEOプロジェクトの全体像

まずはSEOプロジェクトの全体像からです。

SEOのプロジェクトは、大きく4つの要素に分けられます。

  1. お問い合わせ~提案
  2. 施策の開始(キックオフ)
  3. 施策の実施
  4. 定例ミーティング

「お問い合わせ~提案」までを1つの要素として数えたのには、理由があります。

日々お客様とお話しさせていただく中で感じることなのですが、「ヒアリングの段階からプロジェクトは始まっている」ということです。

プロジェクトとして動き出すのは、実際に発注をいただいてからです。

しかし、最初のミーティング時に「それでは、これからサイトの分析とプランニングを始めます」とはなりません。

お問い合わせをいただいた後、ヒアリングや本提案の前に既に分析を始め、施策の方向性のアタリをつけていきます。

逆に言えば、SEOのお問い合わせをいただく前に、あらかじめSEOプロジェクトの全体像を掴んでいただくことで、より良い提案を受けられるかと思います。

お問い合わせ~提案まで

お問い合わせから提案までは、以下の流れを辿ります。

  1. ヒアリング
  2. サイトの分析
  3. 提案

通常、提案まではフロント(セールス)担当が行い、実際の施策はコンサルタントが行うといった企業が多いと思います。

中には、ヒアリングまではセールスの仕事であるものの、サイトの分析・提案の段階からコンサルタントが入ることもあります(アイオイクスはこのパターンです)。

ヒアリング

お客様からお問い合わせをいただいたら、まずはヒアリングを行います。

基本的にはお客様のオフィスにお邪魔してヒアリングすることが多いですが、弊社から距離がある場合には、電話やWeb会議でヒアリングを行うことがあります。

ヒアリングの場でお話しすること

ヒアリングの場では、主に以下の内容をお話しします。

  • お客様の事業の概要
  • お問い合わせの背景
  • 目的・目標
  • 目的達成のために抱えている課題
  • これまでのSEO・CRO(コンバージョン改善)の取り組み
  • プロジェクトへの予算
  • スケジュール

ヒアリングの時間は内容にもよりますが、1時間ほどになるケースが多いです。商談の時間としては長い方に入りますが、SEOの話はどうしても長くなりがちです。

ヒアリング後に「思っていたのと違った」「検討したが、SEOをすべき段階ではないと感じた」となった場合には、提案までいかずに終了します。

また、電話で簡単なヒアリングを行い、支援させていただくことが難しいと感じたら、その時点でお断りさせていただくケースもございます。

(例えば、医療・美容のジャンルなど。人の健康に関する領域であり、単純なサイトの改善でどうにかならないことが多いためです)

サイトの分析

ヒアリングを通じて、お客様にSEOの需要があり、かつ、我々が支援できそうなサイトである場合、具体的な提案を行います。

提案前には、以下のような観点でサイトを分析し、具体的な解決策をいくつか提案に盛り込むことが多いです。

  • サイトの現状(検索順位や流入状況など)
  • コンテンツの質・量
  • 技術的な課題

この段階で、NDAを締結した上で、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールを共有していただくこともあります。

提案

ヒアリングとサイトの分析を通じて得られた結果から、提案資料を作成し、提案を行います。

サイトによって提案内容は異なるのですが、提案のメイン構成としては以下となります。

  • プロジェクトの前提整理(対象サイト・KGI・KPI)
  • 提案のコンセプト
  • サイトの現状
  • 競合分析
  • 課題の洗い出し
  • 解決策と方向性の提示
  • プロジェクト体制の確認
  • スケジュール
  • お見積もり

なお、SEOコンサルティングの提案はコンペになることも多く、その場合は複数社の提案を受けた後に選定→ご発注という流れを辿ります。

施策の開始(キックオフ)

正式にご発注をいただいたら、まずはキックオフのミーティングを行います。

キックオフミーティングを行う理由としては、以下が挙げられます。

  • 施策の方向性の認識をすり合わせるため
  • プロジェクトの体制を確認するため
  • 技術的な改善が必要な場合、実装リソースを確認するため

キックオフまでの期間

通常、ご発注からキックオフまでは1ヶ月ほどの分析期間をいただきます。

SEOコンサルティングの契約期間は6ヶ月から1年ほどが通常ですが、その中の最初の1ヶ月はサイトの分析とプロジェクトの構築にリソースが割かれることになります。

なお、コンサル側の立場からすると、最初の1ヶ月が最もリソースが必要な期間となります。SEOプロジェクトにおいては、それだけ最初の分析が重要なのです。

キックオフで確認すること

キックオフの場では、双方で以下の点を確認します。

  • プロジェクトの目的・目標
  • サイトの現状と課題
  • 施策の方向性
  • 具体的な施策
  • スケジュール

イメージとしては、提案時の内容の深掘りです。

「提案時に分析は終わっているのでは?」と思われるかもしれませんが、

  • サイトは分析すれば分析するほど、課題が出てくる
  • GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなど、各種ツールが事前に共有されないことが多い

といった理由があり、本格的な分析はプロジェクト開始後になるといった事情があります。当然、提案時の分析もしっかりリソースをかけて行っています。

施策の実施

キックオフミーティングを行い、プロジェクトの認識と方向性のすり合わせを終えたら、本格的にSEOプロジェクトが始まります。

SEO施策のサイクル

SEO施策を実施するにあたっては、主に以下のサイクルで進めることになります。

  1. サイトの分析
  2. 具体的な施策の提案
  3. 実装
  4. 実装確認

サイクルの期間の目安は、約1ヶ月です。

通常、定例ミーティングが1ヶ月ごとに行われるため、

  • 定例ミーティングまでに改善提案書を提出
  • 次の定例ミーティングまでに実装・確認

といったスケジュールとなります。

施策の内容

SEOには、大きく分けて3つの軸があります。

  1. テクニカル(技術的な改善)
  2. コンテンツ
  3. 外部評価の獲得

それぞれの軸のイメージは、以下のとおりです。

  1. テクニカル(マイナス→0):Googleがサイトの構造や、ページ同士の関連性を認識しやすくするための施策
  2. コンテンツ(0→1):ユーザーが求める情報を提供するコンテンツの新規作成や、修正といった施策
  3. 外部評価の獲得(1→1~):サイトの信頼性や権威性を高めるための施策

サイトによって必要な施策とその優先順位が異なってくるため、なるべく「実装の工数が少なく、効果の出やすい施策」=「優先度の高い施策」から着手していきます。

この「実装の工数が少ない」というのがひとつのポイントで、SEOは「実装の工数がかかる割に効果が表れるのが遅い(約3か月後)」という性質を持っています。

そのため、最初の施策の実装完了が遅れれば遅れるほど、効果が表れるのが遅れてしまうので、まずは小さく実装して効果検証していくのがセオリーとなります。

定例ミーティング

SEOはプロジェクトとして進んでいくため、定期的な振り返りと認識のすり合わせが重要です。

大抵の場合、1ヶ月に1度、定例ミーティングを開き、施策の現状と方向性の確認を行います。

定例ミーティングで確認することは、以下のとおりです。

  • サイトの現状確認(アクセスや施策の実装状況など)
  • 施策の方向性の確認(施策を通じて、サイトがあるべき姿に近づいているか)
  • 過去の実装した施策の効果検証
  • その他SEOに関する知見共有(Googleのアップデートや、アルゴリズムの動向など)

もし、プロジェクトの最初でシミュレーションを出しているのであれば、「シミュレーションに沿って進んでいるか」「進んでいない場合、どのように施策を行っていくか」を確認します。

基本的にSEOがシミュレーションどおりに進むことはなく、何度か予測の修正を行うのが通常です。

また、施策やサイトの分析を進めていく中で、当初に調べきれなかった課題が出てくることも多々あります。

SEOコンサルタント(要件定義)とクライアント(実装)の認識がズレていくとプロジェクトそのものがうまくいかなくなりますので、定期的な振り返りを行うことは非常に重要です。

まとめ

SEOのプロジェクトの進め方を解説しました。

もう一度全体像を振り返ると、以下のとおりです。

  • お問い合わせ~提案
    • ヒアリング
    • サイトの分析
    • 提案
  • 施策の開始(キックオフ)
  • 施策の実施実施
  • 定例ミーティング

施策の中身自体は、プロジェクトの当初と終盤で大きく変わりますが、プロジェクトの土台はほとんど変わりません。

まだ解説し足りない部分はあるものの、大きな土台を抑えておくだけでも、SEOのプロジェクトは幾分進めやすくなるのではないでしょうか。

社内でSEOを行ったり、外部のSEOコンサル会社に依頼したりする際の参考にしていただければ幸いです。

アイオイクスではSEOを軸としたWebコンサルティングサービスを提供しています。

いわゆるSEOの型に沿った施策ではなく、お客様の事業やWebサイトの構成を踏まえた最適な施策のご提案を重要視しています。SEOにお困りの際はぜひご相談ください。
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この記事を書いた人

2002年設立のSEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社です。お問い合わせは、サービスサイト「SEO Japan」よりお願いします。

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