こんにちは、アイオイクス株式会社の渥美と申します。
普段はアイオイクスのWebコンサルティング事業部で、コンサルタントを担当しています。
今日は「進化し続けるGoogle検索とうまく付き合っていく方法」というテーマで記事を書かせていただきます。
Googleの検索結果ページはリッチ化し続けている
私たちが「青いリンクだけが並んでいる検索結果ページ」を見る機会は明らかに減っています。
人や会社などのデータがページ右上に表示されるナレッジパネルはもうお馴染みですよね?
例えば、会社名で検索すれば会社のロゴや所在地、営業時間や電話番号が実際のサイトURLをクリックしなくても確認することができます。
サービスやお店の場所を探して検索すれば地図が表示され、現在地のすぐ近くの店舗を紹介してくれます。
プロ野球チーム名で検索すれば直近の試合の予定や試合結果、ダイジェスト動画(YouTube)、ニュース、最新の球団公式Twitterの更新状況まで表示してくれます。
知りたいことを検索すれば、強調スニペット(フィーチャード・スニペット)と呼ばれるパネルが出現し、検索したキーワードの回答となる内容がテキストや画像を表示されます。
映画のタイトルを検索すれば、上映されている近くの映画館の上映時間が表示され、
好きなアーティスト名を検索すれば、そのアーティスト楽曲のYouTube動画一覧が表示され、
楽曲目で検索すれば、その楽曲そのもののYouTube動画が大きなサムネイルと共に表示されます。
検索ユーザーには便利すぎる機能ばかりですが、これらのパネルはどういうタイミングで出現するのでしょうか。
そして、サイト運営者にとっての影響はどれほどあるのでしょうか。
今回はGoogle検索のこのような側面を見ていきたいと思います。
検索意図によって変化するパネルたち
ユーザーにとって便利なパネルは、Googleが提唱しているKnow、Do、Go、Buyそれぞれの検索意図にあわせて、何が出現するのかが決まります。
※参考:Four Moments Every Marketer Should Know – Think with Google
Knowクエリでは、強調スニペットが表示され、リンクをクリックしなくても検索した瞬間答えがわかるようにテキストの説明を表示してくれます。
DoクエリではYouTube動画パネルや画像パネルが表示され、やりたいと思っていることをより分かりやすく理解できるようにしてくれています。
Goクエリではお店の名前を検索しただけで地図が表示され、現在地から一番近くのお店を教えてくれます。
Buyクエリではテキストまたはサムネイル画像付きの広告が表示されます。
大雑把な見極め方は、このようなイメージです。
これに加えてビッグキーワードの多くは、検索意図が混在しています。
検索意図が混在する場合の表示
例えば「コーヒー」と検索したら地図が表示され、最寄りのコーヒーショップが地図上に表示されます。同時にコーヒーメーカーの広告も表示されます。
ナレッジパネルも表示され、上位表示を占めるのはWikipedia、楽天、Amazon、コーヒー専門店20選にコーヒー百科と千差万別です。
このように検索結果ページを見ても傾向がぼんやりしていてハッキリしない場合は、検索結果ページの最上部にある検索メニューバーの並びを見てください。
デフォルトは「すべて」になっていますが、地図、動画、画像、ショッピング、ニュースなどが並んでおり、クリックすると指定の検索方法で検索出来ます。
この順番はクエリによって変化し、そのクエリに最も重要な検索メニューを「すべて」の右横に表示しています。
コーヒーで検索した場合、すべての隣には地図が来ています。
つまり、検索意図が混在しつつもGoogleがコーヒーで検索したユーザーにとって最も有益だと判断したのは、近くのコーヒーショップを伝えることだということです。
Googleの検索結果画面で注意しておきたい点
ユーザーにとって非常に便利になったGoogleのリッチな検索結果ページは、サイト運営者にも施策の幅を増やしました。
しかし、クエリによってはサイト運営者の意図しないことが起きる可能性があります。
①パネルが出る事によるCTR低下
地図や強調スニペットは、いずれも検索結果ページの最も良い部分に配置されることがほとんどで、検索結果ページの多くの面積を占領します。
これはある店舗のサイトにおけるGoogleサーチコンソールのデータです。
扱っているサービス×東京の掛け合わせワードで通常の検索だと1~3位に常にランクインしています。
注目すべきはこの順位にして、このCTRの低さです。
Internet Marketing Ninjaの平均CTR調査では1位は23%、2位は12%、3位は8%とされています。
※参考:Announcing: 2017 Google Search Click Through Rate Study
他の調査機関の数値も多少の違いはあるものの、大きなズレはありません。
それらの平均CTRと比較すると明らかに低いです。
もちろん、CTRは表示されているスニペットに左右されるものなので、タイトルやディスクリプションが悪かったのかもしれません。当然悪い数値が出ていれば改善すべき項目です。
地図と周辺の店舗リンクが3つ並ぶと、通常検索結果ページの青いテキストリンク3~4個分の面積を取ります。
それだけでも実質4~5位、ここに広告テキストが入るとそれが実質5~6位になってしまうわけです。
4~6位でCTR5.4なら納得ですよね。
Goクエリは地図が出ることによって、CTRが落ちるケースがあることを覚えておきましょう。
②CTRの逆転現象
下記は8月1日~8月20日までのあるサイトのあるクエリのサーチコンソールデータです。同じクエリ(Knowクエリ)で1.1位と3位を取っています。これはどういう状況なのかというと、1位は強調スニペット、3位は通常の検索順位を表しています。
Googleは1つの検索結果ページに同ドメインのページを表示させないようにしています。それは強調スニペットも同じです。
※参考:Google SearchLiaisonのTwitter
しかし、まだ完全ではなく、こういった現象はまだ数多くあり、珍しくありません。
その現象より興味深いのは、「3位のページの方が1.1位のページよりもCTRが高く、クリック数も多い」という事実です。
普通1位の平均CTRは20数%~30数%であり、2位以下の順位は1位に比べ、5~10%低いとInternet Marketing Ninjaなどの海外サイトの調査で明らかになっています。
つまり、1位が3位にCTRで負けるという事は常識的に考えられません。通常では考えられませんが現実として起きています。
もちろん強調スニペットが出るからといって、必ず1位より3位の方がクリックされやすいわけではありません。
これは私の仮説ですが、Knowクエリの場合、出現する強調スニペットは「知りたいことへの回答」です。
なぜ1位のURLをクリックしないかというと、「強調スニペット以上のことが書いていないと感じてしまい、検索ユーザーの頭の中で膨らんだ知りたいことが書いてあるページの選択肢から除外されるのから」ではないでしょうか?
CTRの逆転現象はこうして起きるのではないか、と私は考えています。
Knowクエリは、「強調スニペットに採用されるより、2位または3位の方がCTRが高くなる可能性がある」ということを覚えておきましょう。
サイト運営者が考えるべき事
Googleのリッチな検索結果ページは、クエリ毎に変わるパネルの出方を把握し、うまく付き合っていけばビジネスに有効活用できることでしょう。
例えば、YouTubeが表示されていればYouTubeに動画を投稿し、YouTubeの最適化を行う。YouTubeチャンネルを開設して力を入れるのも良いですね。
Knowクエリは、検索ユーザーの意図を考慮した記事作成はもちろんですが、流入が目的ならあえて強調スニペットを狙うという戦略をやめてみる。検索クエリの答えのほかに、答えがわかった先に「ユーザーが何を知りたくなるか」を考えて記事作成をしてみることも有効です。
技術的な要素として、max-snippetを短く設定することで、強調スニペットとして表示される可能性を低くすることができます。
※参考:強調スニペットとウェブサイト – Search Console ヘルプ
店舗を持っているビジネスであればマイビジネスの最適化を行い、紹介店舗の3枠に入る事が出来るように施策をする。ナレッジパネルに会社名やロゴが出るようにする。
ECサイトであればSEOだけで考えるのではなく、広告を出して最適化していくこともやり方の一つです。
Google Merchant Centerに登録してGoogleショッピングで戦うのも手ですね。
※参考:Google Merchant Center に登録する – Google Merchant Center ヘルプ
特にビッグキーワードのように検索意図が混在しているものは無理に正攻法で狙いに行かず、Googleのリッチ化で生まれたチャンスを生かすべきです。
まとめ
Googleの進化するスピードは非常に早く、検索結果ページのリッチ化はさらに多くのクエリに広がっていくでしょう。
サイトの流入を従来のSEOだけにこだわると頭を抱えてしまうことになるかもしれません。
しかし、Googleがリッチ化したことは決してサイト運営者を苦しませるためではなく、ユーザーのためであることを思い出してみてください。
ユーザー需要のある機能にサイト運営者側が寄り添い、クエリによって対応を変え、最適化していくことが今後のサイト運営者に求められると私は考えています。
その流れに抗うのではなく、うまく利用してサイトを運営してみてください。
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