トピッククラスターが少し注目を浴びているので、このテーマで筆を取ってみました。遠藤(@KouzaburouE)です。
トピッククラスターとは、あるトピックを中心に関連するコンテンツを集め、内部リンクで結びつけることで、より効果を得るSEOの施策のひとつです。
これまでもトピッククラスターがSEOに効果的と推す有識者の声が国内外に多いことから、お問い合わせ等をはじめ、対応することがありました。
その際、「ちゃちゃっとやっちゃおう!」的なニュアンスでいただくこともありましたので、一言添えたく記事にした次第です。
トピッククラスターとは
ハブスポットが提唱した手法であり、多くの企業がコンテンツによるSEO施策を展開していく中で、認知されてきた方法だと思います。
このアプローチでは、主要なトピック(ピラーページ)と、それに関連するサブトピック(クラスターページ)を組み合わせ、内部リンクで繋ぎます。これにより、検索エンジンにとってもユーザーにとっても有益なコンテンツ構造を作り出すことができる、という手法です。
詳細については、私のようなペーペーではなくぜひわかりやすい住氏の記事を読んでください。
ただし、この方法は概念としてはわかりやすいのですが、いざやるとなると意外と大変です。
トピッククラスターを実行する時に弊害になりやすいこと
あくまで例ですが、こんなことが起きます。
・当事業の推し出したくない領域の検索需要でも、歯抜けを防ぐために取り扱う必要がある
・他部署が扱う仕切りとなっているテーマもリンクで繋ぎたい
・既存の記事が多くあり、テーマの重複があるため、どちらの記事を立てるのか決めなければならない
・既存の記事運用で決まっている内部リンクのルールを変更する必要がある
そのため、進め方としてはまずはトピックの整理を行い、ルール決めが必要です。
関連するトピックを洗い出し、同じ検索意図と思われるトピックをグルーピングし、受け皿となるページを設定し、不足しているページを洗い出します。
ただし、そのトピックを全体的にムラ・モレなく抑えるためには、トピッククラスター自体の意味を理解し、トピックの階層設計をする必要があります。検索需要が大きく、多くの検索ワードが存在するトピック群であればなおさらです。
その後にルール決めです。
ピラーページ、クラスターページの設定・ルールを決めて、立場上、語ることが難しいトピックの扱い方を協議し、対応策を決めましょう。
トピッククラスターを実装する場合には、これまでの内部リンクルールは一旦置いておき、新たにルール・運用設定することを前提に、運用スケジュールを汲みましょう。
そもそもなぜトピッククラスターが良いのか?
トピッククラスターは検索から評価されやすいとされています。その理由はざっと以下のように考えてます。
・抽象度が整理されるため、抽象度の高いトピックと、専門性の高いマニアックなトピックを繋げて情報化できる → リンクジュースが程よく配分されやすい。
・「トピック」(not キーワード)ごとに塊をとらえ、関連するコンテンツを抜け漏れなく繋ぐことができる → 多くの検索需要への対応が可能。
・気になったトピックを基点として関連トピックをユーザーが知ることができ、情報の充足度が高まりやすい → よいユーザー行動シグナルにつながる。
・Googleが回遊した際に、関連情報の充足度合いを検知しやすく、内部リンクも相まって評価されやすい → Googleが関連ページを検出・認識・評価しやすい。
結果的に、情報の簡便性が高いページ群と認識され、Googleも推しやすい状態になるのが良いところです。
ハック的な方法として認識されやすいが故に「間違ったトピッククラスター」を考えてしまう事もあるようです。
間違ったトピッククラスター
誤った認識のトピッククラスターは、以下のような例です。
特定のキーワード + サジェストキーワードのみしか抽出していない
サジェストは重要ですが、そもそもキーワードを基準で考えるのではなく、情報需要・検索意図を基準に考えましょう。
同じ検索意図・別キーワードに対して、対応記事がバラバラ
1検索意図、1コンテンツが鉄則です。同じ検索意図のキーワードはグルーピングしましょう。似ているが同じではない検索意図の場合、解決する商材が異なる場合もあります。
その事業の事情に応じて、コンテンツを分けるのもありです。ただし、そういった例外処理を行うと、ルールが複雑になるため、運用工数とバランスを取るようにしましょう。
そもそも当事業に検索意図(情報需要)を満たすだけの語れる資格がない
そもそもその領域の専門家・専門会社でないと、コンテンツを制作しても説得力がありません。
なぜ自社がそれを語るのか、どのポジショニングで語るのかを検討し、ルール決めしておきましょう。
狙いたいキーワードをメインとサブのトピックに分けて、関連するサブトピックの記事をAIでとにかく量産して周辺を大量の記事で埋め、相互内部リンクを充てることがトピッククラスター!
違います。主のトピックを軸として、関連する情報需要をリンクで繋ぐことを前提とし、情報需要の抽象度(論理の親子関係)を整理して、相互のリンク状況を整えることがトピッククラスターの良いところです。
「関連するサブトピックの記事をAIで量産して相互内部リンクを充てること」ではありません。また、重複する記事などのページが量産されすぎると特定の検索ワードにおけるランディングページのコントロールが効かなくなります。
情報の需要に対して、情報を整理・設計しておもてなしをすることが重要です。
そもそも、高品質のコンテンツであることが大前提の施策ですので、「これをやれば上がるんでしょ?じゃあ細かいことは良くわかないけどやっちゃえ!」といった小手先のトピッククラスターは止めておきましょう。
トピッククラスターをやろう!と思ったら設計・調整をしっかりやること
トピッククラスターをやろう!と思ったら、まずはその定義と何故そのような定義の施策なのか?がチームに浸透するよう、初回説明、設計・調整中に再度説明など、幾度かの説明を経て携わるメンバーの認識を揃えていくことが、トピッククラスターをやり切るコツです。
概念的なことは、ざっくり解釈されてしまい、具体論となった際に都合よく調整して、全然違う施策方法になった結果、成果がついてこない。もしくは、チープなコンテンツ群が出来上がることになります。
そこから学びを得て、PDCAが成されるのであれば良いのですが、大きなものほど作った後が大変です。
トピッククラスターを実践する際は、単にトレンドに乗るだけではなく、しっかりとした設計と調整が必要です。
やるからには正しいやり方、そもそもどういったルールの施策のなのか、施策の背景理解も行ったうえで、設計と調整を行い、用法容量を守って正しく服用してください。
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