“SEOコンサルティング”という仕事の能力はどうやって培われるのか

SEOコンサルティングという仕事はとても曖昧な仕事です。

資格が必要であるかと言われたらそういう訳では無いですし、元々私はアフィリエイトを副業から始めましたが、その前はWebサイトを作ったことすらなかったです。

それから早6年、気づけば日本を代表する企業など、決して少なくない会社のSEOコンサルティングを行っています。もちろんすべての会社から100%の満足を受けた訳では無いですが、少なくとも人に聞かれて恥ずかしいことはやっていないと思います。

いざ自分で過去を振り返ったときに、どのようにしてこうした蓄積が出来たのか、なぜ一定の評価を受けられるようになったのかを振り返る意義があるかなと思い、書いてみようと思います。

改めて振り返ってみると、この5つの要素が非常に大きいです。

  1. 自分のWebサイトで未経験から自分で試行錯誤しつつ、メンターがいたこと
  2. 元々の職務経歴である営業とITコンサルティングの業務の経験が相性の良かったこと
  3. SEOは入り口でしかなく、ビジネスのHowという観点を持ち続けたこと
  4. 社内社外関わらず、自分の知らないことに興味を持ち手を動かし続けたこと
  5. 自分がインハウスの人間だったら…を想像し、その自分が欲しいものを出し続けたこと

順番に解説していきます。

目次

1.自分のWebサイトを自分の責任で試行錯誤しつつ、メンターがいたこと

自分がSEOに興味を持ったのは入社前です。2018年1月くらいに、アフィリエイトを始めて、その数ヶ月後にコンサルをやっている方に相談をしました。

ただ、決して答えを教えてもらえるという訳ではなく、「どういうジャンルに対して、どんなページを作り、どんな記事を作るか。」は自分で考えながらフィードバックをもらうような形でした。

未熟な内は何をやるのが正しいのかわかりません。Webにはさまざまな情報があり、色々なポジショントークがある中でどう進めば良いのか。答えは教えてもらわないけど、方向性が合っているか、間違っているかを教えてもらえる機会はとても貴重でした。

SEOも既にかなりの歴史がありますが、未だに僕も総論としての正解は持ちつつ、各論の絶対的な正解は持ち合わせていません。

究極いえば「現在ある状況と、その結果が全て。」そんな考え方の中で、自分で1つの正解を作り続けた経験は、今もとても大きな財産となっています。

2.元々の職務経歴である営業とITコンサルティングの業務の経験が相性の良かったこと

ぼくはこの業界に、未経験入社として年収もガクンと下げて入社しました。

当時はITとWebは全く別な業界と思っていましたが、いざ蓋を開けてみるとITの時に行っていた経験が多く役に立っています。

一番親和性を感じるのは、プロジェクトマネジメントについてです。社会では色々な人が、こだわりを持って仕事をしています。

  • さまざまな利害関係や立場の方がいる中で、どう折り合いをつけていくか?
  • 数ある選択肢の中から、どのように意思決定すべきなのか?

こうした部分は、企業のマーケティングに関わる上で欠かせないものです。

支援会社というのは、顧客からお金を頂いて業務に取り組む立場です。そのため、決して正論だけでは上手くいかないし、技術に向き合っているだけでは前に進みません。

営業やコンサルやエンジニア、人事、経営企画などさまざまな立場に立って物事に取り組んでいた経験があるからこその配慮が役に立っているような気がします。

3.SEOは入り口でしかなく、ビジネスのHowという観点を持ち続けたこと

SEOの会社に入ったからこそ、会社の中でしか流通していない特別なアイデアやスキルが身についたという感覚は正直あまりありません。

ただ、「SEOという曖昧なものをサービスとして提供する立場として、市場を眺めた時にどのように振る舞うべきか?」という思考にはかなりの時間をかけました。

数年前のSEOは限られた人しかアクセス出来ない情報がありました。しかしインターネットやソーシャルメディアの普及に伴い、こうした情報の特別な原液というのはどんどん失われています。

その上で、さまざまな手法があり、決してSEOに取り組むことだけが集客手段ではなくなりました。

もちろん、SEOのスキルというのはさまざまなものがあります。コンテンツを書くこともそうですし、適切な競合調査をすることもそうですし、SERPsを読み解いて課題を潰す能力もそうかもしれません。

ですが、根本的に企業はSEOを手段として捉えています。

かつ、「誰かがハックしてきたスキル」というのはコモディティ化すればするほど、その効果は半減します。

だからこそ、その目的意識と便益をどう見極め、実現をするかという方が優先度が高いと感じるようになりました。

4.社内社外関わらず、自分の知らないことに興味を持ち手を動かし続けたこと

最近はChatGPTが話題です。私も決して専門家ではない一方で、こうした新しい技術に関しても選り好みせず、少ない期間でも集中して取り組む経験を重ねたことにより、汎用的に出来るスキルがとても増えた印象があります。

入社した当初、Googleデータスタジオを扱っている人間は弊社にほぼいませんでした。企業のモニタリングに役立つと思い、そこで正規表現などを覚え、出来ることが増えました。

同じように、GA4やSEMrush、Screaming FrogやAdobe Analyticsもそうですが、短い期間でも集中して取り組む事で、その経験が汎用的に使えるスキルとなっている自覚があります。

短い期間ではあれど、集中して取り組みアウトプットを作り切ることで、1つの自信が生まれます。すると、次また知識が必要な機会が求められた時に、手がかりを探し目的とする行為が出来るようになる。というイメージです。

人から聞いた話のみで人に語ることはもちろん出来ますが、やはり小さくても自分の手で作り切る経験を積まない限り、本当の意味で価値のある情報というのは出せないんじゃないかなと思います。

性格的にミーハーなので合ってる部分もありますが、この繰り返しにより、自分ができない範囲というのは過去と比べると少なくなっているような気がします。

5.自分がインハウスの人間だったら…を想像し、その自分が欲しいものを出し続けたこと

今の自分は支援業という立場もありますし、自社の事業を伸ばすという意味ではインハウスの立場に当たります。

支援業は、顧客に価値を見出されない限り発展はありえません。

だからこそ、各論の施策もそうですが、「相手にとって今必要なものは何か?」を想像している時間の方がずっと長かったりします。

与件段階において、さまざまな企業から悩みを頂きます。その悩みの粒度や観点は本当にそれぞれあり、口頭で軽くお話すれば解決するものもあれば、既存の取り組みの範囲のみでは成立出来ないものもあります。

ただ、今世の中にある大抵のものは自分と同じ人間が作っています。

外から見たら一見完璧に見えるものだとしても、その裏側に着目すると誰かが一生懸命支えていたり、さまざまな歴史を経てなんとか形にしていることがほとんどです。

だからこそ、その歴史や関わっている人を想像しながら、その上で自分が出来ることはなんだろうか。というのを想像し続けて、具体的なアクションまで起こすのが大事なのかなと思っています。

まとめ

6年前と状況も変わり、今ではSEOコンサルティングを担うメンバーを教育する立場となりました。

ただ、改めて振り返ってみると、「他者に正解をそのまま教えられて、自分の身に役に立ったこと」というのはほとんど無くて、「自分が未知の課題に対して、責任を持って意思決定をし、結果を自分ごととして受け止め次に活かしたか。」の総量が一番大事なんじゃないかなと思っています。

こうした経験の数が多ければ多いほど、個人として出来ることが増えていきます。

今自分が抱える責任というのは、立場によって異なりますが、目の前にある課題に対して、正解と思えるものを出し続けることで、こうした能力は徐々に身についていくものだと思っています。

今後生成AIの普及に伴い、仕事の仕方や既存の枠組みは変わりそうですが、こうした要素に関しては少なくともパソコンを使って仕事をする人間がいる限り、変わらないんじゃないかなとも思います。

SEOコンサルティングに取り組んでいる方、生成AIの波に不安を抱いている方、今後のキャリア形成に悩んでいる方の参考になっていれば幸いです。

アイオイクスではSEOを軸としたWebコンサルティングサービスを提供しています。

いわゆるSEOの型に沿った施策ではなく、お客様の事業やWebサイトの構成を踏まえた最適な施策のご提案を重要視しています。SEOにお困りの際はぜひご相談ください。
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この記事を書いた人

法政大学経営学部卒。エン・ジャパンでセールス経験後、社員数3名の会社にITコンサルタントとして入社し新規事業・業務効率化・ITインフラの導入プロジェクト等に従事。その間に個人でサイト運営を複数経験後アイオイクスに入社。アフィリエイト経験とITコンサル経験を活かした、実務に落ちるプロジェクト設計力が強み。

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