【実例】競合調査とユーザーインサイトの2軸で攻めるCV増加に向けた与件提案の資料

2024年3月12日2024年3月22日

山内友隆

こんにちはコンサルタントの山内（@yutaka_ioix2023）です。
普段、プロジェクトの運用を担当しつつ、お問い合わせいただいた与件の提案も行っています。

今回、アイオイクスに問い合わせた場合、どんな対応をしてくれるのかをコンテンツ化してみました。

SEO支援会社に問い合わせるとき、

どんな粒度で提案してくれるのか
費用感はどれくらいなのか
どんな流れ、スピード感で対応してくれるのか

など、不透明な部分が多いかと思います。
プロジェクトの実績や実例コンテンツは当サイトにて発信しておりますが、お問い合わせ後からプロジェクト開始までの部分はお伝えできていない状況でした。

今後より安心してご相談をいただけるよう、今回のテーマで執筆させていただきます。
2023年に頂戴したお問い合わせを、実際に使用した提案資料を用いながら紹介したいと思います。
※守秘義務上、詳細なデータなどは伏せさせていただきます。

7ヵ月360万円でCV増加を目的としたコンテンツのリライト施策をご提案

今回ご紹介させていただくのは、初期調査1ヵ月+コンサル＆コンテンツ制作6ヵ月の計7ヵ月で、CV増加を目的としたリライト施策のご提案になります。

提案施策
　・減少したCVを回復させるためのコラムページのリライト
　・更なるCV増加を目指したエリアページのリライト
　・数値報告とコンテンツ分科会のお打ち合わせ月2回

アウトプットイメージ
・初期調査レポート（現状調査、競合調査、キーワード選定、改善起案を含む）
・リライト構成案　（6ヵ月間で30本納品想定）
・定例数値レポート（月次でCV数、セッション、順位など数値指標と動向を記載）

期間
・7か月

費用
・360万円（7ヵ月）
└ 60万円（1ヵ月）
└300万円（50万×6ヵ月）

なぜこの提案に至ったのか、弊社の与件対応をご紹介しつつ順を追って説明させていただきます。

お客様とすり合わせながら、与件対応の進め方を調整する

まず、アイオイクスでは与件対応に決まったフローがありません。
ご支援する事業によって目的や課題感などが異なるため、ご要望をお伺いしつつ、進め方を決めています。

<良くあるフローを紹介>
①お問い合わせ
　弊社のSEO Japanサイトからお問い合わせ

②ヒアリングミーティング
　30分~1時間zoomにて事業の事情・これまでのWeb集客等における課題感などヒアリング

③サイト調査/提案方針の策定
　ヒアリングミーティングの内容をもとに、提案方針をすり合わせ

④本提案
　すり合わせした提案内容をオーダーメイドで資料化し、ミーティングにてご説明
　
⑤アフターフォロー
　社内用のサマリ資料など、追加情報のサポートも実施

⑥プロジェクト開始

メールにて簡易ヒアリングをし、事前調査を実施

冒頭にあった今回の提案は2023年10月頃のお問い合わせで、上記の対応フローに沿って紹介します。

お問い合わせ後、詳細をお伺いするためにオンラインミーティングの日程調整を行います。
事前ヒアリングとして、お問い合わせの背景や目的、過去の実施施策などをメールにてお伺いします。

サービス内容や強みはもちろん、競合他社とのポジショニングやターゲットユーザーのインサイトなどを事前に調査させていただき、ミーティングに備えます。

SEOプロジェクトの要件はもちろん、サービス内容や事業内容までヒアリング

オンラインミーティングにて、目的や背景、プロジェクト開始時期、社内リソースなどを深堀してヒアリングします。

前述した通り、事前に業界やターゲットユーザーについて調査させていただきますが、
十分理解しきれていないケースもあるため、お客様にご質問し教えて頂きます。

最近はターゲットユーザーのペルソナをChat GPTで抽出し、お客様に確認しています。
しかし、お客様の事業戦略によっては新規顧客の獲得を目指しており、全く違うケースもあります。
したがって、お客様がどんな事業戦略で、どのようなターゲットを獲得していきたいのかを把握するのは、SEOプロジェクトをご支援するにあたって非常に重要だと感じています。

また少し話が逸れてしまいますが、弊社の事業理念として画一化されたSEO施策のコンサルティングではなく、顧客サービスの内容や特徴を理解し、施策に落とし込む伴走型のコンサルティングを目指しています。

まだまだ自分の勉強不足な面もありますが、可能な限りお客様の業界やサービス理解を深められるよう意識しています。

今回ヒアリングした内容は以下です。
※サービス内容や特徴は、企業様の特定を防ぐため伏せさせていただきます。

お問い合わせ日　　　：2023年10月末
サイトの特徴　　　　：to C向けの有形商品の修理系サービスサイト
サイトページ数　　　：4,000ページほど
推定月間流入数　　　：170,000ほど
プロジェクト開始時期：1ヵ月~3ヵ月
ご予算　　　　　　　：月80万円以下
社内リソース　　　　：フロント担当者様1名ほど、社内ライター様3名ほど
　　　　　　　　　　　コンテンツの構成案、原稿作成は社内で実施しているとのこと。

背景：2023年の3月から競合他社が検索市場に新規参入し、上位を抜かれてしまった。それにより売上が月200万円減少してしまったため、CV数回復を目指したい。
社内でも調査はしてみたが、セッションやCV数が著しく減少している傾向はないとのこと。

事業内容の理解については、企業様の特定を防ぐため具体的な紹介はできないのですが、
自分なりにその業界のポジショニングマップを作り、お客様のポジションやベンチマーク先企業の認識合わせ等に使用しています。

仮説を基にお伺いすることで、よりその業界事情や事業の深い情報をお伺いできるため、より良いご支援に有用かつミーティングが一番盛り上がる点です。

30分ほどヒアリングした後、弊社がお力添えできる形をお客様とディスカッションしていきます。

今回の場合、CV数減少の原因を特定するため、CVデータを集計し確認する必要がある点をお話しました。

お客様側の調査から、セッションやCV数が著しく減少している傾向がなかったとお伺いしたため、CV後〜売上が発生するまでのフローをお伺いしました。

お問い合わせ後のフローは、スタッフが現地視察をおこない、正式に依頼をもらってから売上が発生する仕組みだったので、現地視察後の通過率に問題がありそうだと仮説立てし、「最終的に売上につながる」質の高いCVが減少している可能性があるとお伝えしました。

GA4やサーチコンソールの閲覧権限をいただき（仮説の検証などのため）、後日ご提案させていただく形でその日のミーティングは終了です。

定量・定性の2軸から提案方針を検討

NDAを締結し、GA4とサーチコンソールの権限付与を頂戴します。
データを確認し、ヒアリング内容を基に提案内容を資料に落とし込みます。

ここまでのアプローチは、CVデータから逆算した定量的な調査でしたが、別角度からのアプローチはないのか？と自問しながら調査を行いました。

調査～提案までの期間は2週間ほど頂戴しておりす。今回は、中間の調査結果や提案方針の草案などをお電話にてご相談しながら、提案資料にまとめました。

私の過去記事「SEOのコンテンツ作成におけるユーザーインサイト簡易調査のコツ」にもある一次情報のユーザーインサイトを取得し、定量的な観点からの調査も行ったので、後述します。

各サイトに合った提案資料をオーダーメイドで作成

提案資料は約20ページのボリューム感になりました。
今回の構成は以下の通りです。調査観点や考え方をまとめ、お客様にイメージを掴んでいただけるよう資料を作成しています。

<目次>

与件の整理
提案コンセプト
提案施策の根拠
提案施策の詳細
スケジュールや運用体制
納品イメージ
事例
費用

今回、担当者様がサイトの分析業務も担当されていたため、提案方針の根拠となるスライドを少し多めに設けています。
一方で、社内共有や上長の方にもご理解いただけるよう、提案コンセプトはシンプルにまとめました。実際のスライドと共に一部内容を紹介します。

要件を再確認

ヒアリングミーティングにてお伺いした内容を踏まえ、目的や想定ターゲット、現状などを簡潔にまとめ、前提条件の認識合わせをします。

CVを獲得しているページのリライトとエリアページのリライトをご提案

次に、提案方針となるコンセプトを1スライドにまとめました。
今回は、CV減少の要因をサイト全体→記事単位→キーワード単位で逆算する調査をし

①減少したCVを回復させるためのリライト構成案
②別角度からCVを増加させるリライト構成案

の納品を提案しました。
また、月2回のミーティングを行い、お客様と密にコミュニケーションを取りながら、リライト構成案→コンテンツ制作のすり合わせも実施します。

提案施策の根拠

ここからは、提案方針の根拠を記載したスライドです。

質の高いCV数が減少していた可能性がある

まず、競合に順位を抜かれる前（2023年3月）と、抜かれた時期（2023年10月）のCV数、クリック数の減少分を調べたところ、むしろCVは約+100件微増している状態でした。

CV数自体に著しい減少はなく、ヒアリングミーティングにて仮説立した「質の高いCV数の減少」を調査するため、記事ごとのCV数推移を集計し、CVの増加記事と減少記事を比較しました。

結果、売上に繋がりやすい記事からのCV数が減少している傾向がみられました。（p.10)
また、クリック数とCV数が共に減少し相関性がみられたため、記事流入数を増加させるリライトを行うことで、CV数も回復する可能性が高いと判断しました。（p.11)

CV意欲が高いエリアキーワードでの上位表示

また、別角度からのCV数増加を目指し、エリアページのリライトもご提案しました。

提案を行う際、策定した施策の他に、別のアプローチはないかと一度立ち止まって考えることを普段から意識しています。

「定量・定性の2軸から提案方針を検討」にて記載した通り、一次情報となるターゲットユーザーのインサイトを探るため、自分の身の回りに似たトラブルを経験した人がいないか聞き回りました。

残念ながら、今回は該当する方を発見できませんでした。
しかし「居住地で発生したトラブルを解決したい」というエリアキーワードはCV意欲が高い傾向があります。
また、キーワード調査を行ったところ、やはりCPCが高く、競合他社がこぞって対策していたことから、CVに直結しやすい可能性が高いと考えました。

本サイトのエリアぺージが上位表示しきれていなかったため、CV意欲の高いクリック数を増加させるためにも、リライトのご提案をさせていただきました。

コンテンツ分科会の実施を提案

減少したCVを回復させるためのリライト記事ですが、競合に順位抜かれたといえ、かなり上位に位置していたため、記事単位での競合分析に加え、検索ユーザーの意図を仮説立てしたコンテンツ案の作成が必要だと考えました。

記事単位の詳細な調査と、コンテンツ案をすり合わせるミーティングの実施を提案
に組み込みました。

月のミーティングの回数は、①月初にCV数やセッション数などの数値レポートをお出しするミーティングと、②リライト構成案に対して、お客様からのご意見をいただき、すり合わせるミーティングの計2回です。

改善が必要な記事量を算出し、お見積りを作成

弊社では、制作系の施策はポイント制で管理をしています。
例えば、月に40ポイント付与させていただき、新規記事作成が8ポイントであれば月5本制作ができるというシステムです。

リライト制作や新規制作などサイトに必要な施策を組み合わせて実施できる他、お客様の社内リソースによって構成案制作までなど、柔軟に調整できるメリットがあります。

今回はCV回復に向けたリライトが20本、更なるCV増加に向けたエリアページリライトが10本、合計30本のリライトが必要な印象でした。

お客様側で社内ライターがいると伺っていましたが、ヒアリング当初はどんな記事を制作するかが決まっていませんでした。

社内リソースを活用しお客様のご予算に合った金額感で提案したいと思い、お電話にて提案方針を一度ご説明し、リライト構成案を納品する形に調整させていただきました。
また、社内ライターの育成も行いたいと伺っていたため、ご契約後にポイントを調整して数記事だけ原稿納品し、弊社の原稿を参考にできる旨もお伝えいたしました。

本件以外にも、社内育成などの事情で記事の納品形態を途中で変更したいというお声を頂きます。
ご予算以外のご要望にも応えられる形を模索させていただいています。