サイトのリニューアル時はSEOのミスが起きがちです。
実際、「リニューアル後に順位が下落して困っています」という相談をよくされます。
今回はサイトリニューアルにおいて、注意しなければいけない点をまとめましたので、ぜひご活用下さい。
サイトリニューアル時のSEO的なミスは4つ
私が過去見てきたサイトでは、下記の原因によって順位が下落しているケースが見受けられました。
- 中古ドメインの使用
- noindexの外し忘れ
- robots.txtの設定ミス
- リダイレクトの設定ミス
1.中古ドメインの使用
新しく取得したドメインが過去に誰かが運用していたもの、いわゆる「中古ドメイン」だった場合に起きるミスです。
過去の運営者がスパム行為を行いGoogleからペナルティを受けていた場合、その後に取得したサイトにペナルティが引き継がれてしまうことがあります。
意図的に中古ドメインを取得して、順位を上げようとしていた場合は自業自得になりますが、取得したドメインがたまたま中古ドメインだったというケースもあります。
そのためドメインを取得する際は「Wayback Machine」を使って、過去に運用履歴がないか確認することを推奨します。
Wayback Machineの使い方は簡単で、ドメインを入力するだけで運用履歴を調べることができます。
●参考:Wayback Machine
2.noindexの外し忘れ
テスト環境で作業中の際、インデックスされないように「noindex」を入れる方法があります。
ローンチの際にnoindexを外し忘れ、そのまま本番環境へ反映させてしまったときにミスが起きます。
すべてのページにnoindexが入っている場合、サイト自体がインデックスされなくなるため、すべてのキーワードで下落します。
このようなことがないように、そもそもnoindexを使用するのではなく、Googleが推奨している「ユーザー認証」か「IP アドレス制限」を検討してみてください。
●参考:English Google Webmaster Central office-hours from September 4, 2020
3.robots.txtの設定ミス
テスト環境で作業中の際、インデックスされないようにrobots.txtでGooglebotを弾く方法があります。
先のnoindexと同じように、ローンチの際にrobots.txtの設定をそのまま本番環境に反映させてしまった際にミスが起きます。
noindexの時と同様に、Googleが推奨している「ユーザー認証」か「IP アドレス制限」を検討してみてください。
●参考:「robots.txt によりブロックされましたが、インデックスに登録しました」とSearch Consoleに表示された時の対処方法
4.リダイレクトの設定ミス
よく見かけるミスは下記の4つです。
- リダイレクトの向き先を間違える
- リダイレクトをし忘れる
- 302リダイレクトの使用
- リダイレクトチェーンの使用
1.リダイレクトの向き先を間違える
例えば下記のケースですと、旧ドメインの「ページB」が新ドメインの「ページA」に向けてリダイレクトを設定してしまっています。
この場合、旧ドメインの「ページB」の評価が、新ドメインの「ページB」へ引き継がれないので、リニューアル後に「ページB」で獲得していたキーワードで順位が下がる可能性があります。
2.リダイレクトをし忘れる
例えば下記のケースですと、旧ドメインの「ページB」から新ドメインの「ページB」にリダイレクトを設定していません。
この場合も、旧ドメインの「ページB」の評価が、新ドメインの「ページB」へ引き継がれないので、リニューアル後に「ページB」で獲得していたキーワードで順位が下がる可能性があります。
このようなことが起きないように、事前にどのページからどのページへリダイレクトを行うかを示す「新旧対応表(URLマッピング)」を作成することを推奨します。
●参考:URL マッピングを準備する – Search Console ヘルプ
3.302リダイレクトの使用
「301リダイレクト」と「302リダイレクト」の違いは下記のとおりです。
- 301リダイレクト:「恒久的な転送」
- 302リダイレクト:「一時的な転送」
サイトのリニューアルは「恒久的な転送」にあたるので、301リダイレクトを使用するのが適切です。
Googleも下記のように301リダイレクトを推奨しています。
HTTP 301 リダイレクトを使用する: Googlebot は複数の種類のリダイレクトに対応していますが、できれば HTTP 301 リダイレクトを使用することをおすすめします。
実際にあった事例で、リニューアル時にトラフィックが下がったサイトにおいて、「302リダイレクト」を「301リダイレクト」に変更したことでトラフィックが回復したケースがあります。
実際にあった最近の例を紹介する。
SEOの基本的な知識のあるWebサイトのオーナーがリダイレクトの確認を行ったところ、彼にとっては問題ないように見えていた。
しかし、私が確認したところ、301ではなく302が設定されていたことがわかった。
301リダイレクトに設定し直した後、リニューアル前の水準にトラフィックが回復したのだ。
そのためリニューアルにおいては、「301リダイレクト」を使用することを推奨します。
4.リダイレクトチェーンの使用
リダイレクトを繰り返す、いわゆる「リダイレクトチェーン」をGoogleは推奨していません。
リダイレクトの連鎖は避ける: Googlebot やブラウザは複数のリダイレクトの「連鎖」(例: ページ 1 > ページ 2 > ページ 3)をたどることができますが、最終的なリダイレクト先に直接リダイレクトすることをおすすめします。
やむを得ずリダイレクトチェーンを使用する場合は、302リダイレクトを挟むことは避けてください。
Googleのジョン・ミューラー氏が、ウェブマスター向けハングアウトにおいて、下記のように発言しています。
やむを得ず復数のリダイレクトを繰り返すときは、必ずすべてに301リダイレクトを使う。
途中に302リダイレクトを挟んではいけない。
私が担当した案件にこのケースがありましたが、リダイレクトが機能せず、サイトの移行ができていませんでした。
補足
301リダイレクトを行った後に、Google Search Consoleの「アドレス変更ツール」を用いることを推奨します。
Google Search Consoleのサイドバーにある「設定」から「アドレス変更」を選択すると表示されます。
これを行うことで、Googleに一時的な移転ではなく意図的な移転だと伝えることができます。
それにより、Googleは無駄な作業を省くことができるため、移転の認識がより速くなります。
●参考:Google Webmasters:Site Migrations: SEO Mythbusting
まとめ
サイトのリニューアルは、SEOの致命的なミスが起きがちです。
せっかく予算を割いてリニューアルしたのに、トラフィックが下がっては元も子もありません。
今回ご紹介した、Googleが推奨しているやり方に乗っ取って、慎重にリニューアルを行いましょう。
では、また次の記事でお会いしましょう!
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