2023年のSEOを振り返り、2024年のSEOはどうなっていくのか?を考える

こんにちは。遠藤(@KouzaburouE)です。

年の最後ということで、今年のSEOを自分なりに振り返り、来年の新しい取り組みについてまとめたいと思います。年の瀬の折、既にバカンスに気持ちが向いているためかちょっとラフに綴っていきたいと思いますので、軽い気持ちでお付き合いいただければ幸いです。

目次

Googleのアルゴリズム更新はコアが4回、レビュー系が3回

Googleは、昨年2022年の12月に新しい検索品質評価ガイドラインを発表し、E-A-Tに加えて新たに「Experience(経験)」を追加した「E-E-A-T」という評価指針を発表しました。

2023年はこれに沿ったアップデートとして、レビューアップデートが3回コアアップデートが4回ありました。

2023年にGoogleが公表した主なアップデート

引用:https://status.search.google.com/products/rGHU1u87FJnkP6W2GwMi/history

コアアップデートは年の後半に立て続けに実施され、半年間で3回、かつ11月コアアップデートは完了に25日間を要するなど、異例の状況でした。ヘルプフルコンテンツアップデートと併せて、8月から4か月連続でのアップデートにドギマギしたSEO関係者は多かったと思います。

以下の投稿があったので、年末の最後の最後にアップデートが来ることはない(・・・え、ないよね?)と信じていますので、2023年はひと段落です。

12月にも来るのではないか?とソワソワしていた人とは、良いお酒が飲めそうです。本当にお疲れさまです。

個人的には、11月のアップデートで8月のアップデート前に戻している印象があります。8月のアップデートでは、知恵袋の古い投稿ページが所々あがったのが印象的で、E-E-A-Tにもつながる独自の「体験」を評価しようとしている形跡がみられましたように感じます。

今後もこの傾向が続くのではないかと思っており、今後のコンテンツ作りの細部では「体験」の観点を制作フローに盛り込みたいと考えてます。

生成AIとSEO活用・在り方を模索する日々

2022年の前半には「生成AI?なにそれ?」と言っていた私も、2023年にはGPTをSEOに如何に活用するか、ずっといじくりまわす日々を送ってました。

先日のWeb担に掲載されたMozの記事では、「ChatGPTを通常のSEOワークフローの一環として利用していますか?」の問いに対して、52%がすでに役立てているとの回答があり、英語・日本語の違いはあれど、生成AIが組み込まれたSEO施策は徐々に浸透しています。

引用:https://webtan.impress.co.jp/e/2023/09/25/45637

私も12月から実験を始め、結果として「生成AIに頼り切る記事は難しく、編集サポート・言語化サポートとして使うが推奨」に落ち着いてます。(この点については、「【ChatGPTとSEO】記事自動生成は有効か?AIライティングでCVはするのか?実験結果とChatGPT(プロンプト)によるSEO活用術8つ」の記事で、紹介してますので、是非ご覧ください。)

ただし、今後もどんどん進化していくので、今後は企画テーマとデータを渡してまかせっきり、なんて制作フローが近い未来では可能になるかもしれません。

AIライティングサービスの充実

トランスコープやChatchyなど、生成AIを活用したライティングサービスも多くローンチされ、より一層Webコンテンツの在り方や効率化が加速していった年だったと感じます。

実際、Growth Market Reportsという調査会社の記事で、グローバルでのAIライティングアシスタントソフトの市場規模は、2020年に3億5,980万ドルとされ、2028年までに10億2,230万ドルに達すると予測されているようです。

ELYZA Pencilが出た時(おととしぐらいかな?)に「これメール作成が爆速になる!」と思っていたところから、急に何段階も進化しました。本当に進化が目まぐるしく、正直 情報を追っていくのに必死で実践がなかなか深いところまで手が進みにくいなーと思ってます。

また、生成AIをきっかけにしたコンテンツマーケティングの運用方法を見直した企業も多いのではないでしょうか。

AIは誰にでも平等ですので、現段階の生成AIにて簡素なコンテンツを大量に作っても、賞味期限が短い施策となることが予想されます。逆に、質の高いコンテンツの重要性と、生成AIの適切な使用方法の知見を踏まえた、新たなWebマーケティングの手法が確立されていくと思いますので、その型をいち早くインストールできた企業が次のWeb、いやデジタルマーケティングを制するかもしれません。

我々もそういった型につながる情報収集と実践、型の開発を模索し続ける2024年以降になると感じてます。

急にやってきたSGE

この生成AIブームに遅れまいと、Googleは2023年5月10日にGoogle I/OにてSGE(Search Generative Experience)を発表、その後8月に日本語版の試験運用を開始しました。

SGEの本格導入はまだですが、その際にはサーチコンソールで指標を確認し、SGEに採用される方法を模索する日が来るかもしれません。本格導入の際にはGoogle Discoverのような形で各指標を見れるようになるのでは?と思っており、追加情報を追っていきたいと思ってます。

個人的には、アンケートデータがあるであろう市場感・規模感などをざっくり調査する時にエビデンスを確認しながら進める際に役立ってます。ChatGPTとは違って、このようにSGEを使ってるといった他の観点あれば、ぜひXで意見交換したいです。

いやー、まさに生成AI戦国時代の真っ最中です。楽しいですね。

AIを搭載したBingがPCで検索エンジンシェアを伸ばしてきた

そんな中、現在Bingは検索シェアを伸ばしています。

引用:https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/desktop/japan/#monthly-202201-202311

背景には2022年後半からのブラウザであるEdgeのシェア向上があり、必ずしも生成AIに関連したシェアの拡大ではありませんが、今後もMicrosoftはOpenAIとの強力なタッグで、Googleのシェアを脅かすことになると思います。

Googleの数値ばかりみてきたSEOerも、そろそろ業界・業種によってはBingを無視できなくなってきている状況です。情報収集をWebで行うシニア層がターゲット場合は、特にそうかなと思います。

忘れちゃいけないまだある2023年だったできごと

直近のアップデートラッシュで、夏前の記憶を思い出すのもやっとなのですが、UAが別れを告げたのも今年でした。

GA(UA)が2023年7月にサポート終了!ということで、春にGA4のレポートやデータ抽出に奔走した方、多いと思います。「探索」の使い方や、サンプルとしきい値ってなんだ!?と思いながら、GA4をいじくっていた春を過ごしました。もう懐かしい。

これまで使っていたダッシュボードが、GA4になって使えなくなり、再構築を迫られました。

見ずらくなったなぁ・・・でも、詳細データ見れるようになったな・・・

でも、探索で月の並びが時系列にならないの、気持ち悪いな・・・

2024年以降に向けたSEOのやるべきこと

今後のトレンド予測というほど大それたことではありませんが、情報に触れる中で上述した点もまとめると必要になりそうだと感じているのはざっと以下です。

  • 今後のコンテンツ作りの中で「体験」を盛り込む
  • 生成AIを柔軟に活用した効率的なデジタルマーケティングの型化
  • SGE本格導入時の最適化
  • (ターゲットによっては)Bingへの最適化
  • 差別化のためのリンクビルディングとオフページSEO

無論、いままでSEOで重要とされていた部分を基本とした上でですが、上記のような新たな取り組みも始めていく年になるのではないかと思ってます。

「差別化のためのリンクビルディングとオフページSEO」と入れたのは、生成AIによるコンテンツ制作の効率化が進むと、自然なリンク構築の重要性が相対的に増し、ソーシャルメディア・インフルエンサーも活用したリンクビルディングが注目されと思ったからです。

ドメイン強者はよりドメイン強者に、よりリッチなコンテンツで競争するSEOの時代だと思います。

SEOは検索エンジンというプラットフォームに右往左往しながら、うまくいった際には大きな恩恵を受けられるドMな営みですから、新しい時代を一緒に楽しみましょう。

SEOerのみなさん、2023年 本当にお疲れさまでした

イーロンマスクがあくのそしき「X」を作り、Googleをブロックした年でしたが、乱高下する順位の荒波を越え、2023年を走り切ったSEOに携わる皆様、本当にお疲れさまでした。

検索エンジンを通じた事業のグロースは一筋縄ではいかないことも多いですが、今までになかった発見やWowが2024年にあるはずですので、年末年始は一旦羽を休めたいと思います。

良いお年を!

アイオイクスではSEOを軸としたWebコンサルティングサービスを提供しています。

いわゆるSEOの型に沿った施策ではなく、お客様の事業やWebサイトの構成を踏まえた最適な施策のご提案を重要視しています。SEOにお困りの際はぜひご相談ください。
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この記事を書いた人

美術大学卒業後、アイオイクス株式会社にWEBデザイナーとして入社。10年以上にわたり、数え切れない数のSEOプロジェクトに携わる。コンサルタントとして「事業理解に基づくWEBマーケティング」をモットーに、事業課題をWEBマーケティングの力で解決する支援を実施。

SEOだけでなく、戦略立案・CV改善・Youtube活用・ソーシャルツール活用など支援のカバー範囲は多岐にわたる。趣味は料理、絵を描くこと、サウナ。

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