こんにちは、ディレクターのエレナです。
現在はお客様から依頼をいただいたコンテンツ制作に関して、ライターや編集者のディレクションを行っています。前職では雑誌の発行や海外採用系Webコンテンツの制作に携わっていました。
コンテンツを制作する上で最も気になることのひとつが、「コンテンツの質」です。
自社のサイトやメディアに上げる以上、質の低いコンテンツは公開できないため、外注するにしてもコンテンツの質はできる限り担保したいところです。
一方、代理店やライターに頼んだはいいものの、「上がってきた原稿が思っていたイメージと違う」といった経験をされたことがある方は多いのではないでしょうか。私自身、同じような経験を何度もしたことがあります。
そこで今回は、コンテンツ制作を外注する際の注意点について、私自身がコンテンツのディレクションをする中で意識していることをお話していきたいと思います。
■この記事でわかること
- ライターへフィードバックしている内容と意図など
- Webコンテンツのクオリティを上げるために取り組んでいること(編集・校正やファクトチェックなど)
コンテンツを外注する際はメリット・デメリットを押さえておく
コンテンツの作り方には、大きく分けて「内製」と「外注」の2種類があります。
コンテンツを内製するにしても、外注するにしても、どちらにもメリット・デメリットが存在します。
一見、外注の方が自分の手間を削減できるような印象がありますが、制作のすべてを丸投げできるわけではありません。
最終チェックは自社で行う必要があり、よく考えずに外注に決めてしまうと、あとで大変な思いをするのは担当者本人です。
ここではまず、記事を外注する際のメリット・デメリットを押さえておきましょう。
記事外注の3つのメリット
1.自社のリソースに頼らなくて済むので、空いた時間を有効に使える
記事を1本書くためには、それ相応の時間が必要になります。
日記的なブログと違って、自社の看板を背負って発するWebコンテンツの場合は、エビデンスや炎上させない工夫など、執筆時に気を遣う範囲も広くなります。
外注することで執筆の時間が大幅に軽減でき、空いた社内のリソースを有効に活用できます。
2.記事の安定生産が可能
コンテンツ制作に専任で関われる人材が社内にいない場合は、記事の安定生産はなかなか難しいことです。
外注することで、記事コンテンツを1カ月に20本アップする、あるいは毎日1本ずつアップするなど、安定的な生産体制の実現が可能になります。
3.ライティングのプロに依頼することで記事のクオリティが上がる
自社商品については専門知識が豊富でも、ライティング経験が少ない場合は、一般の人が理解しやすい記事に結びつかない場合があります。
ライティングのプロに依頼することで、より多くの人にわかりやすく、伝わりやすい記事が作成できます。
記事外注の3つのデメリット
1.クオリティにバラつきが出る場合がある
ライター業には資格があるわけではなく、経験がなくてもライターと名乗ることはできます。
そのため、外注先によっては、「期待したクオリティのものが上がってこない」「クオリティにバラつきが出る」などのデメリットがあります。
2.金銭的なコストがかかる
記事の執筆料は、1本いくらという形で発注することが多く、文字数や専門性などによって単価も異なります。
医師や弁護士などの専門家に執筆や監修を依頼する場合は、さらにコスト増になります。
3.期待する品質の記事を書いてもらうためには入念な準備とフォローが必要
内製する場合は前提となる情報の共有に時間はかかりませんが、外注する場合は、コンテンツを制作する意図やテーマ、内容などを丁寧に伝えなければなりません。
また、品質に満足がいかない場合は、修正を依頼するケースもあり、やりとりに時間が取られる可能性もあります。
記事のクオリティを上げるためには、どこに外注するか、外注先の選定も重要です。次では、さまざま考えられる外注先について、特徴を紹介します。
外注するなら、ライティング代行会社とクラウドソーシングサービスのどちらが良い?
記事執筆を外注する場合、選択肢は大きく分けて2つあります。
- ライティング代行会社に発注する
- 個人に発注する:フリーライター・ブロガーなど
最近では、業務を発注したい人と受注したい人をつなぐ「クラウドソーシングサービス」が多数出てきたため、以前に比べ、フリーライターを探しやすくなったこともあり、個人発注の選択肢も広がったと言えます。
一方で、代行会社と個人とどちらがいいかは、依頼主側の人員や体制、経験値、どの部分まで業務を委託したいかによっても変わってきます。
コンテンツを継続的に制作するためには、さまざまなジャンルの専門知識が必要です。
また、実際の業務は、記事のライティング以外にも、
- ディレクション
- スケジュール管理
- SEO施策
- データ分析
- 編集
- 校正・校閲
など、多岐に渡るため、以下の特徴を参考に、自社の状況に合わせて発注することをおすすめします。
代行会社の特徴
校正作業や複数案件への対応、専門性の高いコンテンツの発注が可能
記事の執筆を専門にしている代行会社は、ライターを複数抱え、社内に編集経験者を置いていることも多いため、一般的な校正作業も込みで依頼できます
同時に、複数の案件を依頼することもでき、医師や税理士など専門家への依頼を受け付けている会社もあります。
ライターと直接やり取りするわけではない
基本的にライターと直接やり取りすることはなく、フロントに立つ人を通じて依頼します。ライターの質は代行会社が保証している形になります。
執筆に要する期間が予め決まっており、納品が遅れることは少ないものの、急な依頼や変更などには対応できない場合もあります。
ライティング以外のマーケティング施策を請け負っている会社もある
代行会社の中には、ライターだけでなく、SEOエキスパートやマーケティングアナリストなどを置いているところもあります。
必要なときだけ依頼することもできるため、各分野の専門知識を持った正社員を雇うより大幅にコストが削減できます。
クラウドソーシングサービスの特徴
安価な一方で、品質にバラつきがある
代行会社よりも安価での依頼が可能な場合も多いものの、ライターそれぞれの経験や専門性は異なるため、品質にバラつきが出る場合があります。
依頼する際は、クラウドソーシングサービスが公開しているライターのプロフィールなどをよく確認してください。予算があれば、テストライティングを複数人に依頼する方法もあります。
ライター個人とのやり取りになる
基本的にはライター個人とのやり取りになるため、記事の内容に問題がある場合は、修正依頼などの作業に時間が取られる場合もあります。
Webコンテンツの品質・伝わりやすさを上げるために必要なこと
①記事依頼時の発注ルールを明確化しておく
記事執筆の依頼の仕方が適切でない場合、例え優秀なライターであっても、思ったとおりの原稿が仕上がってこないことがあります。
例えば、弊社が関わることの多いSEOコンテンツの場合は、キーワードに対する回答を適切に盛り込む必要があるため、記事の骨子や流れなどを構成案として事前に作成し、発注しています。
その方が、記事の方向性がブレず、コンテンツに関わる人みんなが内容を共有できるからです。
SEOコンテンツ以外の読み物コンテンツは、そこまで意識する必要はないかもしれませんが、記事の発注前には、どんな記事を書いてもらいたいのか、内容を明確化して社内で共有しておくことが大切です。
②依頼前に執筆レギュレーションを設定しておく
依頼する前には、メディアの特徴や読者層といったターゲティングや、記事を制作する目的、執筆ルールなどをまとめた執筆レギュレーションを設定しておくと良いです。
事前に執筆レギュレーションを提示することで、納品された原稿がそれに沿ったものなのか、ライターへフィードバックする際にもそれが拠り所となってくれます。
執筆レギュレーションの項目の例
- 納期
- 執筆する本数
- 文字数
- 記事制作の目的
- ターゲット
- データを掲載する場合のデータ元に関するルール
- イメージに近いコンテンツのURLの共有
- 文体
- 画像の有無
- 表記統一ルール など
執筆レギュレーションの項目は、サイトの状況によってアレンジするといいでしょう。
また、依頼時にはレギュレーションに加えて、記事の単価や戻しの有無なども書面にして、メールなどで送付することが重要です。
あとで揉める原因になるので、口約束ではなく、きちんと書面に残しておきましょう。
まとめ:内製と外注をうまく使い分けて良いコンテンツを作ろう
今回はコンテンツを外注する際のポイントや注意点などを、私自身の経験をもとに解説しました。
コンテンツの外注は一見楽なように思えますが、すべて丸投げできるわけではありません。
特に専門的な知識のとらえ方、自社のブランディング、市場でのポジションの細かいニュアンスを含んだ表現は、ただ外部のライターに依頼するわけではなかなか難しいものです。
また、ライティング代行会社と個人のどちらが発注すべきかは、依頼主側の人員や体制、経験値、どの部分まで業務を委託したいかによっても変わってきます。
質の高いコンテンツを継続的に制作するためには、「どれだけ制作する際のイメージを正確に持てるか」が重要です。
コンテンツの外注を検討される際には、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。
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