こんにちは。遠藤(@KouzaburouE)です。
前回の記事「【ChatGPTとSEO】記事自動生成は有効か?AIライティングでCVはするのか?実験結果とChatGPT(プロンプト)によるSEO活用術8つ」は、好評をいただきまして、とても嬉しい限りです。
今回はSEOからやや外れますが「他社事例やあるべき論の”魔法の手法”よりも、実体験に伴う解像度の高い情報から論理建てた計画の方が地味だけど実行力があり、実現性が高い」というお話です。
というのも、SEOを生業としていると、ついつい方法論が先に来てしまいがちでして、本質を見失ってはいけないという戒めも込めて、最近の気づきをまとめたく存じます。お付き合いいただけますと幸いです。
Who-What-Howの基本に沿って営業の暗黙知をコンテンツ化する
Webに限らず、集客・接客の際、最終的には価値を伝える・価値が伝わることが重要です。
- コンテンツ毎にメッセージコンセプトがバラバラ
- 顧客でない方との接点・対話が多い
- 商材の購買に至る過程とは関係ないトピックの会話
こういった情報発信は、集客の投資対効果が悪くなるため、防ぎたいことだと思います。
そのためにはWho-What-Howの順でコンセプトを整理する必要があり、設定の順番も絶対にWho-What-Howでして、実在した顧客をベースにして設定すると良いことをここ数年で実感しました。(マーケティングに携わる方は既にご存知のことで恐縮です)
Who-What-Howの順が大事、というのは以前からインプットとしてありましたが、誠に恥ずかしながら実感が伴っておらず。
以下のアンダードッグビリオネアを視聴したことでイメージが具体化できました。このシリーズ動画、いろんな学びが詰まっているのでおすすめです。
見事にアメリカンドリームの再現性を証明して見せたスターンズ氏は、「買い手を見つけて相手のニーズに合わせる」をビジネスの大原則として真っ先に挙げており、この動画にあるストーリーのおかげで”WhoからのWhat”の解像度がグッと上がりました。
この原則に則って、これまで営業に携わった実体験とお客様の中から、事業上の真ん中に位置するWhoを設定し、会って実際に聞いたニーズ、困りごとや本音のインサイトをまとめてサービス化された「SEOコンサルティングサービス」は、おかげさまで良い反応をいただくサービスとなりました。
とはいっても、我々のような無形商材の場合、ニーズに合った商材を形づくるためには、変数が多く存在しまして、模索し、具現化するのは大変な作業です。情報を整理し、形にしてくれたメンバーには感謝です。私だけではここまでできなかったと思いますし、商材の形作りは本っっ当に難しいですね。
この件では、人に恵まれてるなと感じました。私の駆け出しマネージャーだった頃のへなちょこぶりとは全然違くて、頼りになるなーと。(・・・えぇ、本当に。)
すみません。脱線しましたが、大事なことはお客様の生の声を聞くことであり、今から計画を立てるのであれば「これまで最も多くの顧客に会ってきた人」の情報が重要だと改めて実感しています。
生の声から計画を立てる利点は、「幻の顧客に惑わされない」「事実に基づく計画は疑いを排除し実行力につながる」の2つです。
①事実を基にして”幻”の顧客に惑わされない
他社の施策が良さそうに見えるなど、隣の青い芝生現象のような心理が背景にあると、ついつい妄想の世界に思考がトリップしてしまいます。
たとえばカスタマージャーニーは、顧客のニーズや疑問、懸念を理解し、それに対応するための戦略を策定することができる良いツールです。
しかし、事実の情報が全くない状態でカスタマージャーニーを作成すると、「妄想のカスタマージャーニー」が出来上がります。そこに描かれているのは存在しない”幻の顧客”です。
明確な検証方法を考えていないと「誰もそれが”幻の顧客”であることに気づかず、使える予算を使い果たしていた」ということにもなりかねません。
細かなペルソナ(架空)を突き詰めるよりも、顧客セグメントごとに実際に存在する一人の声を聞き、それが最大公約数への施策となりうるのか?を検証する進め方が、より事業を前に進めることにつながると思います。
Webでは、人は単なる”1″になることで試される想像力
ちょっと余談ですが、店舗で対面して接客すると大事な大事な一人のお客様なのに、なぜかWebだとユーザーは1になります。これこそ”幻の顧客”を存在させてしまう理由ではないかと感じています。
1をどう解釈するか?は解釈する人間の想像力にゆだねられるためです。
Web業界に入る前の2006年ごろに、とある研修で「Webサイトは一人の営業であり、24時間寝ずに働いてくれる。」とWebサイトの意義を説明してくれた講師がいました。
この言葉は17年経った今でも心に残っているぐらい、「確かに!」と思った大事な概念だと感じます。
であるならば、Webサイトは営業マンのようにお客様の表情やしぐさ、行動と対話をしながら、ニーズとマッチングさせる役割を担うことが理想ですが、技術的な制約があります。だからこそ「せめて丁寧な情報設計を、せめて丁寧なコンテンツを置きましょう」という姿勢が問われるのだと思います。
そのため、我々のようなWebを生業にする人たちは、ユーザーが画面の向こうでどんな場所で、どんな顔で、どんな服装で、どんな思いで、サイトを閲覧しているのか、想像することが欠かせません。
もしかしたら、親友と飲んで別れた直後の電車内かもしれませんし、仕事でプロジェクトが成功した日の寝る前のベッドかもしれません。オフィスのPCで、ランチ中に何か良い情報ないかとX(Twitter)をサーフしていて気になったことを検索している人かもしれません。
ユーザーの状況は、店舗の接客であれば「旦那さんが歩いて先に行ってる間に、店の前の商品がふと気になって店内を覗いた方」などの状況がわかりますが、Webだとわからない。
だからこそ、Webの集客に携わる人には想像力が欠かせないと思います。そして、それを「本当にそうか?」と可能な限り検証し、現場・現物・現実を重要視する価値観も両輪として持っておきたいところです。
想像が妄想になり、会ったこともないユーザーのことを「絶対こうだ!」と決めつけてしまうと、ニーズやインサイトの図り間違いが起きます。
すると発信する情報(コンテンツ)がズレたコミュニケーションになり、成果につながりません。
CVを目的としたWebサイト運用においては、PVが大きく増えたけどもCVしない、まるで「PV肥満」のような症状に陥ります。「PVをCVに!」と施策・検証する中で、「実は顧客ではなかった」と不都合な事実が結論となるケースもあります。
幻を相手に接客をしないよう、実際に顧客に会った人が持っているニーズとインサイトを基に必要なコンテンツを検討し、検証できる計測可能性が高いコンテンツ化こそ良策と考えます。
②事実に基づく計画は”疑い”を排除し実行力につながる
事実を基にした計画ならば、各メンバーに展開する際にも事実を基にしたストーリーを共有すれば納得を得られやすいですが、やや妄想気味の場合は
「本当にこのコンテンツ企画で成果出るのかな?」
「顧客のニーズ・インサイトは違うところにある気がするけど本当かな?」
「このセミナー、ターゲットと合ってないんじゃ…」
など、施策を進行する際に実行タスクに対する疑いがチームの中に生まれます。疑いがあると実行のスピードや精度にどうしても差が出てしまいます。
コンテンツ企画の度に、それぞれのメンバーが思う顧客像やべき論を議論していては、なかなか前に進みません。
「事実は○○というご担当者がいて、△△で悩まれていて、□□で解決しました。だから、そういった方に向けたメッセージは▽▽です」で良いと思いますし、それによってコンテンツの細部も、具体例も実のある内容になります。それこそユーザーの求める情報です。
営業の現場の情報が盛り込まれた、具体的で解像度の高い情報をコンテンツ化し、未来の顧客に「Wow」を提供したいです。
まとめ
Web上でコンテンツ化する際、その情報が誰のために、何のために、どのように提供されるのか、という「Who-What-How」の原則をこれからも心に留めておきたいと思います。
私自身も経験を通じて、この原則の重要性を深く実感してきました。
Web上では、私たちが直接顔を合わせることができない顧客の心の中を探るのは難しいですが、彼らの真のニーズや疑問、懸念に応えるための情報を提供することで、真の価値を伝えることができると思います。
ということで、脱PV肥満を目指し、SEO Japanもライザップします!頑張ります。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。Twitterもフォローいただけますと幸いです。
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