こんにちは、ディレクターのエレナです。
前回は、「現役ディレクターが伝えたい「コンテンツ制作を外注」する際の注意点」にて、「コンテンツ制作を外注」する際の注意点をお話しさせていただきました。
今回は、同時によくご依頼をいただく「リライト」についてお伝えできればと思います。
Web担当の方は、より効率的にSEOコンテンツで成果を出すために、コンテンツ作成後に、定期的にリライトを行っているはずです。
その際、テコ入れを考えた段階で、いろいろなツールを使用し、リライトが必要な記事の選定をされていますよね?
一方で「コンテンツ制作を外注」したときと同様に、代理店やライターに頼んだものの、「上がってきた原稿が思っていたイメージと違う」といった経験をされたことがある方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、リライトを依頼する際の注意点について、私自身がコンテンツのディレクションをする中で意識していることをお話していきたいと思います。
記事のリライトを行う目的と、リライトの方向性
記事のリライトには、様々な目的(=達成したいこと)があります。
ここでは、SEOが主な集客経路になるコンテンツをリライトする際の目的をいくつか挙げてみます。
元の文章よりも分かりやすく、ユーザーにとってより読みやすい文章に書き直す
SEOに限った話ではありませんが、コンテンツの読みやすさや内容の伝わりやすさは何より重要です。
ターゲットとなる読者やテーマにあわせて、コンテンツの内容を調整するためにリライトを行うことがあります。
例えば、「文章の雰囲気を堅めに、あるいは柔らかめにする」などが挙げられます。
基本的に文章は柔らかく読みやすい方がより多くの方に好まれますが、ファイナンシャルプランナーや弁護士、医師などの専門家の執筆物で、著者の名前が出る記事の場合は、文章の改変をしすぎないよう著者とコンタクトを取って慎重に行う必要があります。
当時の監修者の方にコンタクトが難しい場合は、リライト後に必ず別の監修を入れましょう。
また、社内で情報を発信する際の文体のルールなどを用意している場合には、手元に用意してからはじめると、後々差分が少なくて済むのでおすすめです。
ユーザーのニーズ(検索意図)に合わせて内容を調整する
SEOを狙ったコンテンツでは、ユーザーのニーズ(検索意図)を分析して記事が書かれることがよくあります。
しかし、狙ったキーワード自体が同じ場合でも、その時々で検索するユーザーの検索意図は変化します。
この場合は、骨子なども作り直して、それに沿って大きく書き直すケースもあるかと思いますが、「なぜリライトを行うのか」、「元の記事を残すのか、残さないのか」などの背景もライターや、制作会社に伝えた方が良いです。
「原稿ができてみないとわからない」「原稿ができてから考える」で依頼をするのは、コストと時間のロスに繋がるので避けましょう。
ユーザーの反応を見て、悪い箇所を改善する
分析ツールなどを使用して、どこが読まれているか、どこが読まれていないかなどの解析を行い、それに沿って書き直す場合は、解析の結果なども添えて依頼すると、リライトする側の理解が深まります。
この場合は、ライターや制作会社に依頼する前に解析した本人がざっくりと書き換えても良いと思います。
リライトを依頼する際は、リライトに至った背景をできる限り共有する
一口にリライトの依頼とはいっても、依頼の背景には様々な状況が存在します。
- ライターが書いた文章が分かりにくいので、サイトアップの前に編集者などが分かりやすく書き直す
- サイトの流入数を増やすために既存記事を書き直す
- Aさんが書いた著作物を別媒体に掲載するために、その媒体に合わせて書き直す
- 既存記事と似た記事をアップしたいが、別記事としたいので、コピー記事にならないように文章を大きく書き換える
リライトを請け負う側は、リライトの背景が把握できていない状態から始まります。
- どこまで手を加えていいのか・手を加えてはいけないのか
- 文字数を大幅に減らしたいのか・増やしたいのか
特にこの事情は依頼者によって様々ですので、事前に共有できる情報は、できるだけ多く作業者に伝えることが好ましいです。
作業効率を上げるため、箇条書きでも良いので要件をまとめておいた方が良いでしょう。
3の「Aさんが書いた著作物を別媒体に掲載するために、その媒体に合わせて書き直す」と4の「既存記事と似た記事をアップしたいが、別記事としたいので、コピー記事にならないように文章を大きく書き換える」は特殊で、著作権へと配慮する必要があります。
「著者の許可や転載の形をとらないとまずい」など、いろいろなパターンがありますので、特に確認や注意が必要になります。
前提が違えば、仕上がりが異なってくる
リライトが失敗するケースは、往々にして前提となる情報共有不足が原因です。
依頼者の意図を想像で補うのは負担になる割に、結果に結びつかないケースが多いです。
「説明に時間をかけすぎかもしれない…」という程度で構いませんので、積極的に情報は共有しましょう。
リライトではない「リライト」の依頼
リライトとは、基本的には執筆者以外の人が手を加える作業のことです。
ライターの書いた原稿に疑問点や不満などがあり、差し戻すケースがありますが、それはリライトとは少し違います。
戻しの作業は、ライターの力量により、大雑把な言い方で伝わる場合もあれば、細かく原稿に赤入れしないと伝わらない場合もあります。
戻しの作業は骨が折れる作業のため、編集者やディレクションの側でリライトして済ませる場合もありますが、それはそれで労力がかかる作業です。
ここでは、要望をいただくものを参考に、いくつか例を挙げてみます。
- 文末の「です・ます」や「それで」「しかし」「それから」など接続詞、助詞の変更
- 現在使用している単語を、類似した単語へ変更
- 文章の前後の入れ替え
このような点の修正をしたい場合には、別途依頼前に執筆レギュレーションを設定しておくと、ライターや代行会社に伝える際にスムーズになりますのでおすすめです。
リライトを依頼する際に意識しておきたい項目
最後に、チェックリスト形式でリライトの際に意識しておきたい項目を並べてみます。
目的別
- 記事を書く目的は何か
- 誰に向けての記事なのか
- 記事の中で主張すべきことはあるか
形式別
- 既存記事のリライトか、数本の記事を統括した新規リライト記事か
- 既存記事の場合は元記事を生かすのか、大幅に変えるのか
- 1記事当たりの文字数はどれくらいか
- 掲載媒体はどこか
- 内部リンクの見直しは必要か
- 内容の重複している記事への配慮は必要ないのか
リライトを行う人がスムーズに作業に入れるよう、共有できる情報はなるべく共有するようにしましょう。
まとめ
リライトには、新規の記事を作成する場合より、より多くの情報が必要です。
「元の記事には何が足りていないのか」「具体的に何を足してどうしたいのか」といった意図を事前に共有してから進めましょう。リライトの意思決定をしただけで満足せず、しっかりとアウトプットをすることが大切です。
また、サイト分析後にリライトを依頼する際には、必ずクライアントや社内での着地点のすり合わせを行ってから、依頼するようにしましょう。
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